2023年8月5日、岡山県倉敷市で開催された第22回全国小学生倉敷王将戦。
高学年の部で全国三位に入ったのは斉藤翔真君。また、低学年の部では中村清之介君が優勝しました。
二人は共に千葉県柏市にある柏将棋センターに通うお子さんです。
柏将棋センターには通常の道場の他に日曜日の午前中に子供将棋教室が開催されています。
お二人とも幼稚園の頃からこの将棋教室に通い、メキメキと腕を上げ、今では全国屈指の小学生強豪にまで成長されました。
柏将棋センターは、かつて順位戦A級に4期在籍したトップ棋士の1人である石田九段が運営されている将棋道場で、子供将棋教室も石田先生自ら指導対局を行うなど精力的に活動されています。
石田先生は現在YouTubeチャンネルも開局しておられ、将棋界の話題や教え子の紹介などネットの世界でも活躍されています。
かつては佐々木勇気八段や三枚堂達也七段も通っていた柏将棋センター子供将棋教室。
その子供将棋教室がどのようなものか、教室の様子を取材させていただきましたので、その様子を報告します。
教室は盛況で、子供達が生き生きと将棋を指していました。
この記事は2023年10月1日に開催された子供将棋教室を取材して作成しています。
この記事を読むと、柏将棋センター子供将棋教室の下記内容がわかります。
- 柏将棋センター子供将棋教室の概要
- 柏将棋センターの行き方
- 子供将棋教室の内容・様子
- 教室出身者のプロ棋士
- 教室のおススメポイント
- 長男(高3)と次男(中2)を持つ親将(親将歴12年)
- 日本将棋連盟茨城常南支部役員 広報部長
- 千駄ヶ谷連盟道場初段、将棋ウォーズ二段
- 2022年11月から「こども将棋情報室」のサイトを運営
柏将棋センター子供将棋教室 概要
柏将棋センター子供将棋教室(以下:柏将棋教室)は、柏将棋センターを運営されている石田九段が子供達への将棋普及のために日曜日の午前中に開催している将棋教室です。
柏将棋教室は石田先生の他にもプロ棋士や元将、アマ強豪の方が来場されて子供達への指導対局を行っており、その指導対局と子供達同士の対局で2時間将棋を楽しむことができます。
将棋のルールを覚えたばかりのお子さんから奨励会を目指すお子さんまで幅広い棋力の子供達が柏将棋教室に通っています。
現在は60~70名ほどのお子さんが子供教室に通われています。
まずは柏将棋教室の概要から紹介していきます。
教室概要
教室名 | 柏将棋センター 子供将棋教室 |
開催日時 | 毎週日曜日(第5日曜日は除く) ①第一部(初心者~6級) 8:50~10:50 ②第二部(5級以上) 11:00~13:00 |
受講料 | 小学生/中学生/女性:6,000円 ※入会金なし。 ※表示料金は税込み。 |
住所 | 〒277-0005 柏市柏5-1-2 CS21ビル3F 柏将棋センター ※柏駅東口より徒歩5分 |
電話番号 | 04-7163-3335 |
師範 | 石田 和雄九段 |
教室内容 | 指導対局、生徒同士の対局 |
教室HP | 子供将棋教室|柏将棋センター (kashiwa-shogi.com) |
教室概要は、2023年10月3日の情報です。
変更されている可能性もあるので、必ず公式HPでご確認ください。
- 将棋が強くなりたい!
- 将棋教室は初めて
- プロ棋士の指導対局を受けたい
- 将棋が好きだが、近くに相手がいない
石田先生のYouTubeチャンネルでも、子供将棋教室が紹介されています。
プロ棋士・女流棋士
柏将棋センター子供将棋教室出身のプロ棋士・女流棋士・奨励会員は以下の通りです。
柏将棋センター子供将棋教室出身者(2023年10月現在)
- プロ棋士
- 佐々木勇気八段
- 三枚堂達也七段
- 女流棋士
- 鎌田美礼女流2級
- 奨励会員
- 渡邊晴磨二段
- 村上千紘1級
柏将棋センターには佐々木八段が教室に来られた際の写真も飾っていました。
柏将棋センター 場所・行き方
柏子供教室は、千葉県柏市の柏駅から徒歩5分の場所にあります。
CS21ビルの3階が柏将棋センターです。
柏将棋センターには電車で来られる方も多いかと思いますので、柏駅から柏将棋センターまでの行き方を下記解説します。
柏将棋センターの近郊には民間駐車場も多数あります。
柏将棋センターのCS21ビルの両脇に民間駐車場が二つあるので、車で来られる方はこちらを利用するのが近くて便利です。
私は取材当日は電車で行きましたが、息子を連れて行く際は民間駐車場を利用しています。
柏将棋センター子供将棋教室 取材
柏子供教室の取材は、師範の石田九段のご許可をいただき、2023年10月1日に実施させていただきました。
当日の子供教室の模様を報告します。
準備(8:10~8:40)
柏将棋教室は、毎週日曜日の午前8時50分から午後の1時まで開催されています。
6級以下の第一部が8時50分から10時50分まで、5級以上の第二部が11時から午後1時までとなっています。
師範の石田先生は、8時10分に柏将棋センターに来場され、教室を開いて教室の準備をされています。
8時30分頃から続々と子供教室のスタッフが来場されます。
この日のスタッフは下記の通り。
- 石田九段(教室運営全般、主に受付・指導対局)
- 望月さん(指導対局)
- 戸越さん(指導対局)
- 川合さん(指導対局)
- 松本さん(指導対局)
- 柳沢さん(受付・手合い係)
- 渡辺さん(受付・手合い係)
- 大野さん(受付・手合い係)
石田先生他7名のスタッフで教室を運営されていました。
教室の生徒は必ず1回指導対局を受けることができます。
では、子供将棋教室の様子をお伝えします。
子供将棋教室第一部(8:50~10:50)
8時40分頃から第一部(6級以下)の生徒さんが来場されます。
教室が始まるまでは、生徒さん同士で対局したり各々過ごします。
対局が中心なので、特に時間厳守ではありません。
実際教室がスタートしてからも後から遅れて来場されるお子さんも何人かいました。
柏将棋教室は、生徒同士の対局と講師による指導対局の二つです。
教室の進行は基本第一部と第二部も同様で、生徒さんの会員証を使用しながら行われます。
教室の流れは下記の通りです。
教室に来場した時に会員証を受付で提出します。
名前が呼ばれるまで待機します。
手合い係のスタッフさんより名前が呼ばれると対局開始です。
子供同士の対局の場合は対局相手も同時に呼ばれるので、2人で空いている席で対局を行います。
指導対局の場合は、指定された講師の対局席に移動して講師と対局します。
指導対局は、1~3面指になります。
対局が終了すれば、手合い係に会員証を提出します。
生徒同士の対局の場合は、勝者が敗者の会員証も合わせて手合い係に提出します。
その際は、勝者の会員証を上にして提出します。
手合い係は二枚の会員証の内、上側を勝ち、下側を負けとPCのデータに記録していきます。
会員証を提出した二人は、また次の対局まで待機します。
指導対局が終わった場合は、自分の会員証を手合い係に提出して、次の対局まで待ちます。
STEP2とSTEP3を繰り返しながら、教室の2時間を過ごします。
柏将棋教室では、対局の手合いや結果を全てPCで一元管理しています。
会員証番号とPCのデータベースが連動しており、生徒さんの全ての結果が記録されています。
PC管理されているため、昇段・昇級もPC上でわかるようになっています。
教室終了後に当日の結果がプリントアウトされ、生徒さんに手渡されます。
生徒さんの対局記録がPCでデータベース化されているのには驚きました。
8時50分から教室が始まります。
スタッフが生徒さんの名前を呼んで手合いを付けていきます。
名前を呼ばれた生徒さんはそれぞれ生徒さん同士の対局と指導対局に分かれて対局を始めます。
指導対局は、石田先生、望月先生、戸越先生、川合先生、松本先生が5つに分かれて指導をされていました。
それぞれ1~3面指しで指導されています。
本日、初めて教室に来られた生徒さん(藤田君)がいたので、体験の様子も紹介します。
まず教室に来られたら、受付スタッフから教室の説明を受けます。
教室の体験は無料です。
早速子供同士の対局を行います。
藤田君の初戦の相手は12級の生徒さん。
親御さんとも将棋を指しているという藤田君、初めて来たとは思えないほどの堂々とした指し回しで勝利しました。
次に石田先生の指導対局を受けます。
石田先生とは6枚落ちでの指導対局です。
初めは六枚落ちの定跡を教わり、石田先生の教え通りに詰みの局面まで駒を進めます。
そして次にもう一度初形まで戻し、次は普通に六枚落ちで対局をします。
事前にある程度の定跡の指導を受けていたので、石田先生に六枚落ちで勝利しました。
先生から「強い!」と褒められていました。
藤田君はその後、子供同士の対局を4局こなし、最終的に9級認定となりました。
・12級:勝ち
・石田先生(六枚落ち):勝ち
・11級:勝ち
・9級:負け
・10級:勝ち
・9級:勝ち
5勝1敗 ⇒ 9級認定
教室を終えた親御さんに聞くと、このまま入会されるとのこと。
藤田君も楽しんで教室のひと時を過ごせたようです。
初めて来られる親御さんにもスタッフさんが教室の仕組みを丁寧に説明していました。安心して体験を受けられますよ。
子供達が数十人規模で集まると、どうしても落ち着きの無いお子さん、対局中におしゃべりを始めるお子さんなどが出てきます。
柏将棋教室ではスタッフさんがそのような生徒さんに都度注意して、教室の雰囲気が乱れないように気を配っておられました。
おかげで将棋教室らしく落ち着いた雰囲気が保たれながら第一部が進行されていました。
10時40分頃になると、第一部が終了となり、第二部の生徒さんも来場されています。
スタッフさんに聞くとこの時間が一番忙しいとのこと。
第一部の生徒さんの対局記録の印刷や第二部の生徒さんの受付など、受付周りは混雑していました。
11時になると、第一部の対局は全て終了となり生徒さんは退場となります。
変わって第二部(5級以上)の教室が始まります。
子供将棋教室第二部(11:00~13:00)
10時50分頃から5級以上の第二部が始まります。
第一部と比べ、子供達も高学年の参加者が多く、教室内も落ち着きが感じられます。
こちらも第一部と同様に、石田先生、望月先生、戸越先生、川合先生、松本先生の5人が3面指しの指導をされて、残りの生徒さんは生徒さん同士で対局をします。
5級以上になると、長考する生徒さんもいます。
教室は2時間の制約があるので、長考派の生徒さんには対局時計を使って対局してもらいます。
数名の親御さんが教室を観戦されていました。
多くの親御さんはお子さんを教室に置いて、一度帰宅したり、外で待機する方が多いですが、一部の親御さんは教室内で見学もされています。
第二部には5級の年長のお子さん(佐野君)も指していました。
年が下になればなるほど、バンバンとノータイムで指す子が多いのですが、佐野君は一手一手しっかりと時間を使いながら指しています。
その落ち着いた対局態度は、すでに有段者の様です。
年長の時からしっかり考えて指しているので、強くなるスピードも速いと思います。
佐野君の将来が楽しみです。
12時50分頃になると、第二部の対局が終了となっていきます。
帰り際に会員証と印刷された本日の対局結果をもらい、教室は終了となります。
教室を終えてもそのまま道場に残って将棋を指す子も多いです。
日曜日の午後は大人に混じって教室のお子さんも数多く指されています。
午前の教室、午後の道場と柏将棋センターで一日将棋を楽しむことができますね。
Q&A
柏将棋センター子供教室の参加について、親御さんが疑問に思うことをピックアップしました。
あとがき
今回柏将棋センター 子供将棋教室を見学させていただきました。
指導対局の先生方が5名、応対するスタッフが3名と充実した人員で教室を運営されていました。
おかげで待ち時間も少なく、先生の指導対局も全員が受けられるようになっています。
柏子供教室の特徴は、指導対局と子供達同士の対局で2時間将棋を楽しめるところにあります。
第一部の6級以下の子供達は将棋を楽しんでいる様子が、第二部の5級以上の子供達もより高みを目指して真剣に将棋を指している様子がうかがえました。
教室には元気いっぱいの子供達の笑顔があふれ、指導対局の先生方も優しく丁寧に教えています。
柏子供教室のおすすめポイントは下記の通りです。
- 初級者から有段者まで個々の棋力に応じて幅広く対応している。
- 段級の認定があり、昇級昇段制度は生徒さんのモチベーションの維持につながる。
- 子供達同士の対局だけでなく、必ず指導対局も受けられる。
- 教室終了時に対局結果がもらえる。
- 会員の対局記録がデータベース化されており、保存されている。
- 長年の実績があり、教室出身者のプロ棋士もいる。
- 近年の小学生の全国大会で上位入賞(優勝、三位)したお子さんもいて、強くなれる。
- スタッフが充実しており、教室内も落ち着いている。
将棋が好きなお子さんにはぜひ柏将棋教室を体験してほしいですね。
現在、佐々木勇気八段や三枚堂達也七段、また鎌田女流2級などプロ棋士・女流棋士がこの柏将棋教室から輩出されていますが、石田先生や周りのスタッフさんのご尽力によるものかと思います。
柏将棋センター子供将棋教室の益々のご発展と、また新しいプロ棋士がこの教室から誕生することを切に願いながら、この記事を終えたいと思います。
柏将棋センター子供将棋教室には2023年10月1日(日)の午前に取材をさせていただきました。
取材にご協力いただきました教室の先生方、スタッフの皆様に深く御礼を申しあげます。
中でも事前打ち合わせから当日第二部終了時まで丁寧に応対いただきました石田先生には大変お世話になりました。(昼食までごちそうになり、ありがとうございました。)
柏将棋センター子供将棋教室の詳細はこちらのURLをご参照ください。
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