【将棋大会】水戸京成百貨店様に感謝

2025年1月5日(日)、茨城県水戸市で開催された「第82回水戸京成百貨店小・中学生将棋大会」に次男が参加したので、大会の模様を記事にした。

本記事は親将目線で観戦記事風に書いています。

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ダイス
  • 長男(大学1年)と次男(中3)を持つ親将(親将歴13年)
  • 日本将棋連盟茨城常南支部役員 広報部長
  • 千駄ヶ谷連盟道場初段、将棋ウォーズ二段
  • 2022年11月から「こども将棋情報室」のサイトを運営
目次

水戸京成百貨店小・中学生将棋大会の思い出

水戸京成百貨店では、毎年正月明けとGWに小・中学生将棋大会を開催しており、なんと今回で82回目の開催となる。
地元茨城県の大会とあって、私も長男が将棋を始めた頃から本大会を観戦していた。

過去の記録をざっと見ていくと、初めて参加したのが長男が小学3年生の時、2014年5月5日の第64回大会の時だった。
当時は午前の予選対局を4局指し、成績優秀者8名が決勝トーナメントに進出する仕組みになっている。
第64回大会は57名の小中学生が参加している。

長男は初出場だったが、3勝1敗で予選を突破し、決勝トーナメント1回戦で敗退している。
この時の棋力は千駄ヶ谷の連盟道場で初段だったので、まずまずの成績だったようだ。

第64回大会(2014年5月)

今回が82回大会なので、初出場の64回大会から19回開催されていることになる。
日が合えば参加していたので、おそらく長男と次男合わせて10回以上は参加していただろう。

次男についていえば、次の第65回大会から幼稚園年中時に参加している。
昔は予選の対局は学年の近い同士で対局が組まれること、当時は今ほど全体レベルが高くなかったことで、幸いなことに予選を突破して、こちらも決勝トーナメント1回戦で敗退している。
決勝トーナメントでは、次男にとって初めての対局時計(チェスクロック)を使用しての対局だった。
30秒将棋なのに、指した後に時計を押し忘れるシーンが何度もあり、ひやひやさせられた。

長男はこの第65回大会で最高順位の3位に終わっている。

偶然だが、この第65回大会の模様が茨城新聞社のYOUTUBEで投稿されていた。
水戸京成百貨店将棋大会のアットホームな雰囲気は当時から今も変わっていないので、興味のある方は参考になると思う。

この水戸京成百貨店小・中学生将棋大会には自身も小中学生時代に参加されていた本田小百合女流三段が毎回ゲスト棋士として来ていただいている。

動画の第65回大会は、本田先生が産休に入られていたため、安食女流初段が来られていた。

本田先生には次男が連盟のこども将棋スクールに一時通っていたことがあり、その時からお世話になっていた。
特に第10回京成将棋まつりでは、女流棋士との席上対局のイベントに次男をご推薦いただいた。
山根ことみ女流初段(当時)との駒落ち(飛車香落ち)対局はとてもいい思い出になっている。

京成将棋まつり
京成将棋まつり(2018年8月) 
山根女流初段(当時)との席上対局
本田先生が解説を務めている

京成百貨店小・中学生将棋大会でも毎回気さくに話かけていただき、たくさんのアドバイスをいただいた。
本田先生には感謝しかない。

本田先生は、午前の予選対局は子供達の対局を観戦され、午後は予選で敗退した子供達に多面指しで指導対局をされるのが本大会の流れになっている。

第82回水戸京成百貨店小・中学生将棋大会

会場入り

その第65回大会から参加していた次男も中学3年生となり、今回の第82回大会がいよいよ最後の出場となった。

水戸京成百貨店の開場は10時半。
受付も同時間より始まった。

例年9階のイベントホールが会場だったのだが、今回は会場が7階に移っていた。
案内をきちんと読んでいなかったので9階に行ってしまったが、エスカレーターで上がっている際に、T君が教えてくれて助かった。

会場では、すでに対局場と十分な保護者席が設置されていた。
顔見知りの親将さんや子供達に挨拶し、多くの方と談笑する。
この場所で新年の挨拶をするのが恒例で、新しい年の始まりを感じさせられる。

茨城県支部連合会の役員の方々も5名ほど手伝いに来られていた。
みなさん大会運営には慣れているので、役員が来られると大会の運営が円滑に進む。
貴重な正月休みにボランティアで来られる役員の方々にも感謝だ。

また今回もゲスト棋士としてご来場いただいた本田女流三段にもご挨拶をさせていただいた。
最近は本田先生のご子息も大会に参加されていたが、今回は不参加とのことだった。
また次回大会はぜひ参加していただき、ママさんのご活躍を見ながら将棋を楽しんでほしいものである。

受付前には、感謝状が額に入り飾られていた。
昨年11月の「将棋の日」に水戸京成百貨店に日本将棋連盟から感謝状が贈られたとのこと。
82回もこども将棋大会を開催いただき、それこそ地元の将棋普及に多大な貢献をされてきた水戸京成百貨店様。
日本将棋連盟がきちんと評価され、感謝状を贈られたことに私も嬉しく思った。

感謝状
日本将棋連盟からの感謝状

参加者は34名

開会式
開会式

本大会は小中学生合わせて34名が参加した。
参加者の顔ぶれを見ると、上位陣は過去一レベルの高い少年が集まった感がある。

茨城県小学生の参加者だけ見ても、11月に開催された公文杯小学生将棋名人戦茨城県大会の1~3位の3人が参加しており、他県でも公文杯の県代表者が2名と代表経験者が1名。
中学生を見てもそれこそ小学生時代に県代表になった経験者が5名参加している。

関東研修会の所属で見ると、C2以上が6名。
研修会に入っていなくても昨年1月の全国オール学生選手権大会で全国ベスト16が2人、昨年の成田こども名人戦準優勝者、今年度茨城県オール学生準優勝者も名を連ねている。

持ち時間の短い将棋大会なので、勝ち上がるには実力もさることながら勢いや運も大きい。
優勝争いは上記に上げた強者13名か。決勝トーナメント8名に残るだけでも大変である。

また今回は東京都、沖縄県、千葉県、栃木県、福島県からの参加者もあり、沖縄の方はちょうど帰省中に大会に参加されたとのことだった。
茨城県外の参加者が来られるのは嬉しいものである。
県外だとそこそこ距離があるかもしれないが、正月とGWの大型連休時に大会があるので、帰省や旅行ついでに本大会に参加されてみてはいかがだろうか。

過去一レベルが高かったとは言え、本大会は初心者から有段者まで幅広い少年・少女に参加して将棋を楽しんでほしいとの思いで運営をされている。
仮に予選3局で敗退したとしても、指導対局(抽選だが)を受けることもできるので、初心者であっても臆することなく参加してほしいと思う。
実際この第82回大会含む過去大会でも初心者や初級者レベルの子供達もたくさん参加していた。

予選対局

予選対局
予選対局

開会式を終えて、11時30分より予選対局が始まった。

上述したが、昔は学年の近いもの同士を当てていっていた。
おそらく2年ほど前からこの方式が変更され、現在は完全にランダムで当てていっているように思う。

参加者は34名なので、17組の対局が一斉に始まった。

予選の対局ルールは、基本チェスクロックなしの時間無制限だが、対局が長引いている、もしくは長引きそうな対局には一手30秒未満の時計が入る。
それでも対局が長引いている場合は、一手20秒未満、一手10秒未満の時計が入ることもある。

昔は時計が入ることは稀であったが、最近は参加者のレベルが上がっているせいか予選から結構時計が入る。
今回も17対局の内、平均5局は時計が入っていたように思う。

次男の初戦は中学生で伸び盛りのU君。
ここ半年で数局やっているが、一度負かされており内容も完敗だった。

お互いじっくり考えるタイプなので、進行が遅い。
ただ、連合会の役員は個々の棋力を把握しているので、対応が早い。
次男の組含めて、長引きそうな組には早々に30秒の時計を設置していた。

次男の対局は最後から2番目に終了し、次男が勝利していた。
まだ詰み形までには至っておらず、もう少し時間がかかりそうだったが、U君はいさぎよく投了していた。
大勢が決している中で詰みまでダラダラ指すことをしないU君の姿勢には感心させられた。
U君は予選2回戦で強豪中学生(第80回大会の優勝者)のK君と当たり、予選1勝2敗で終わったが当たりがきつく不運だったように思う。

1回戦は次男の将棋も長かったが、さらに長い対局があり、かなりのギャラリーが集まっていた。
最後の対局は、過去に県代表歴もある格上中学生相手に小学3年生のI君が優位に進めていた。
入玉模様の将棋になり、時計も30秒から20秒と設定を変え、最終的には1手10秒将棋。
結局、10秒将棋の中でも落ち着いて指していた(ように見える)I君が大金星を挙げた。

最後の2局が長引いた結果、勝者同士の次男とI君の対局となった。
I君としては、激戦の1回戦を終えた後の次男との対局はなかなかきつかったように思う。
この対局は次男が勝利したが、次男曰はく、終盤入口までは互角だったようだ。

2回戦は基本一回戦の勝利者同士、敗者同士の組み合わせである。
自然と強豪同士の対局が増えてくる。
関東研修会同士の対決が2局(B2 vs C1、B2 vs C2)あったが、いずれも下位のC1、C2が勝っている。
また公文杯の県代表者同士の対局もあった。

昼休みを挟み、3回戦。
次男の相手は中学生3年生で強豪のO君。
O君には昨年4月の中学選抜選手権茨城県大会の予選リーグで負かされている。
この対局は中盤で優位に立ったO君がそのまま押し切って、勝利した。
次男は予選リーグ2勝1敗で終わった。
決勝トーナメントに進めるか否かは予選の対局相手3人の勝ち星にかかっている。

予選3局を終えて、3連勝者は5名でこちらは決勝トーナメントに進む。
残りは2勝1敗者から3名が決勝トーナメントに進むことになるが、この3名は対局相手の勝ち数の多かった方から決まっていく。

次男の場合、一回戦の相手が1勝、二回戦の相手が2勝、三回戦の相手が3勝と合計6勝。
これは2勝1敗者の中では一番点数が高く、早々に決勝トーナメント進出が決まった。

2勝1敗者の中で、相手勝ち数5勝が複数いた。
最終的には年齢の低い方から選出され、先ほどのI君と沖縄から参加のO君が決勝トーナメントに進出した。
関東研修会B2の二人は両方がこの大会の優勝経験者だったが、二人共に予選落ちするという波乱の予選結果であった。
それだけ本大会はレベルが高かったということか。

決勝トーナメント

決勝トーナメント
決勝トーナメント

決勝トーナメントの進出者は8名。

ここから全ての対局で棋譜を採譜する。
今回も連合会や茨城県アマ強豪の方々が棋譜を取っていただいた。
好局の場合は、茨城新聞の「茨城将棋」に棋譜が掲載されることがある。
次男も何度か掲載いただいたことがあるが、解説付きで新聞に載ると自信にもなるし、勉強にもなる。

決勝トーナメントの組み合わせは抽選だが、次男はなんと予選2回戦で当たったI君と再度対局することになった。
I君としては予選1局目が中学生強豪、2局目と4局目が次男と当たりがきつかったように思う。
対局は予選に引き続き次男が勝利したが、今日の4局はI君にとってはいい勉強になったのではないか。
まだ3年生なので、より高みを目指して頑張ってほしいと思う。

ベスト4に残ったのは、次男、公文杯県代表の小学生二人と中学生で昨年の成田名人戦準優勝のK君。
決勝トーナメントからは1手30秒未満のルールで行われる。
30秒しかないので、決断力や正確性が求められる。

公文杯小学生同士の対局は、東京多摩地区代表のT君が栃木県代表のM君に勝利した。

次男とK君は同じ支部の研究会仲間ということもあり、手の内を知り尽くしているようにも思うが、こちらは次男が押し切った。
K君は中学1年生だが、この数年でぐんぐん伸びている。
昨年のアマ竜王戦茨城県大会では、大人の強豪を次々と負かして3位に入っていた。
同学年のI君と共に茨城県中学生のホープである。
K君はこの後の3位決定戦でも勝利し、見事3位入賞。
力は十分なので、次は優勝目指して頑張ってほしい。

決勝戦はT君と次男。
この対局は遠目から観戦していたが、T君が玉頭から猛攻をしかけ、受けを誤った次男を押し切り優勝を飾った。

T君はテーブルマーク静岡大会で優勝、公文杯でも激戦の東京多摩地区予選も優勝し、勢いに乗っている。
今日も予選から決勝トーナメントまで厳しい組み合わせだったが、次々と強豪をなぎ倒していった。
このメンバーの中での優勝は立派である。
自信を持って3月の東日本大会に臨み、活躍してほしいと思う。
また親御さんの実家が水戸とのことなので、また機会があればまた本大会に参加してほしい。

本大会の結果は茨城県支部連合会のサイト(下記リンク)に掲載されている。

第82回水戸京成百貨店小・中学生将棋大会 結果報告 | 日本将棋連盟茨城県支部連合会

閉会式

閉会式は準決勝に残った上位4名で行われた。
鴨志田顧問より表彰状が渡され、最後に残った4名一人一人に対して考察や激励を贈られた。

ゲストの本田小百合先生からも本大会の総評をいただいた。
本田先生は午後の部で敗退者のために、8面指しを3セットされたとのこと。
中には平手で臨む子供さんもいて、本田先生相手に善戦したそうだ

八面指し
本田先生の八面指し指導対局

最後に入賞者と関係者で写真撮影。
表彰状を持っての写真撮影はご家族の良き思い出になるかと思う。

表彰状は名前を入れる時間がなく、後日自宅まで配送いただくことになった。
無料の将棋大会なのに、そこまでやっていただく水戸京成百貨店様の心遣いがありがたすぎる。

写真撮影を終えて、大会は17時半に終了した。

最後の大会

水戸京成百貨店小中学生将棋大会
第82回水戸京成百貨店小中学生将棋大会

次男はこの第82回大会で最後となり、正月とGW恒例のイベントに親将として参加できなくなるのは寂しいものである。

第64回大会に長男が参加してから約10年間。
予選で敗退となり早々に帰宅の途につくこともあれば、優勝したこともあった。
本田先生や安食先生の指導対局も受けさせていただき、アドバイスもたくさんいただいた。
県内外関わらずたくさんの親将さんとも会話させていただいた。
私自身も楽しい大会だった。

水戸京成百貨店のイベント担当のTさんに今までのお礼を兼ねて会話させていただいた。
前任のOさんの時代から変わりなく、本大会に臨むスタッフさん達は皆一様に丁寧な応対をされており、毎回気持ちよく大会に参加させていただいている。
このアットホームな雰囲気は、Tさんやスタッフさんの心遣い、真摯に本大会に取り組んでいるおかげかと思う。

また鴨志田顧問始め茨城県支部連合会の役員方々も積極的に協力されており、水戸京成百貨店のスタッフさんとうまく連携されていた。
また茨城県アマ強豪の方々もベスト8からの棋譜取りにご協力いただいた。

将棋大会は裏方で支えている方々のおかげで成り立っている。
水戸京成百貨店様はもちろん本大会にご協力いただいた関係者様全てに感謝申し上げると共にこの水戸京成百貨店小・中学生将棋大会が今後も末永く続くことを願いながら、本記事を終えたいと思う。

水戸京成百貨店様、茨城県支部連合会様、そして親将さん、息子と対局いただいた皆様、本大会に参加された全ての関係者各位、ありがとうございました。

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