【将棋大会・茨城県】第23回全国小学生倉敷王将戦・第45回全国中学生選抜将棋選手権大会

4月29日(月・祝)に茨城県取手市で開催された茨城県大会(第23回全国小学生倉敷王将戦・第45回中学生選抜将棋選手権大会)を取材しましたので、その模様を報告します。

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ダイス
  • 長男(大学1年)と次男(中3)を持つ親将(親将歴13年)
  • 日本将棋連盟茨城常南支部役員 広報部長
  • 千駄ヶ谷連盟道場初段、将棋ウォーズ二段
  • 2022年11月から「こども将棋情報室」のサイトを運営

本記事に使用している写真は開会式時にご説明した通りモザイクなどの加工処理なしで掲載しています。
もし不都合のある方がおられましたら、最下部にある「お問い合わせ」よりご連絡ください。

目次

全国小学生倉敷王将戦・全国中学生選抜将棋選手権大会

茨城県大会会場
茨城県大会会場

全国につながる小学生将棋大会の一つ全国倉敷王将戦、中学生将棋最高峰の中学生選抜将棋選手権大会は共に8月に全国大会が開催されます。
その全国大会に参加する茨城県代表を決める県大会が4/29(月・祝)に茨城県取手市で開催されました。

茨城県では、ここ2年ほど倉敷王将戦と中学生選抜将棋選手権大会は別日で開催されていましたが、今回は同時・同会場で開催され、のべ69名の小中学生が本大会に参加してくれました。

全国小学生倉敷王将戦

第22回全国小学生倉敷王将戦
昨年度(第22回)全国小学生倉敷王将戦

全国小学生倉敷王将戦は、今年で23回目となります。

毎年夏に岡山県倉敷市で開催される全国小学生倉敷王将戦。
小学生の将棋タイトルでは、公文杯小学生将棋名人戦と並ぶ全国規模の権威ある大会です。

倉敷王将戦は、小学生名人戦と同じく全国各都道府県で予選会が行われ、全国大会に出場する代表者を決めます。
小学生名人戦は都道府県で代表者は1名だけですが、倉敷王将戦は高学年の部と低学年の部が分かれているため、各都道府県の予選会で高学年代表と低学年代表を決めることになります。

ダイス

低学年の部で都道府県代表になれるのも魅力の一つです。

倉敷王将戦の全国大会は、高学年の部・低学年の部共に64名が参加します。
東京都や大阪府などの人口の多い都道府県や岡山近郊の広島県、香川県などは2名の代表枠があり、また大山名人にゆかりある青森県おいらせ町、倉敷市などは市町村単位で代表者を選出できます。

茨城県では、正道直さんが、2013年(第12回大会)で低学年の部優勝、2016年(第15回大会)で高学年の部で全国優勝しています。
また昨年2023年(第21回大会)では、中村清之介君が、低学年の部で全国優勝を果たしています。

全国中学生選抜将棋選手権大会

第44回全国中学生選抜将棋選手権大会
昨年度(第44回)全国中学生選抜将棋選手権大会

全国中学生選抜将棋選手権大会は、毎年8月に山形県天童市で開かれる中学生チャンピオンを決める大会です。
特徴として男子の部と女子の部があり、8月2日(金)から4日(日)まで2泊3日かけて将棋大会や各イベントに参加します。
大会期間中は所属中学校の制服を着用すること、開会式・閉会式には彬子女王殿下も参列し、大変格式のある将棋大会となっています。
天童市や天童青年会議所のみなさんが作り上げる将棋大会は、他の小中学生の大会とはまた違った雰囲気で行われる大会となっています。

ダイス

全国中学生選抜将棋選手権大会の公式HPもあります。

全国中学生選抜将棋選手権大会 – 将棋の聖地天童に集い繰り広げられる中学生将棋大会 (tendojc.com)

準備から開会式まで

会場設営

取手福祉館
取手福祉館

4月29日(月)、GW前半の3連休の最終日、茨城県大会は取手市で開催されました。
当日の天候は晴れ。穏やかな気候で気持ちのいい朝を迎えました。

会場は取手福祉会館3Fの会議室。
JR取手駅から徒歩10分ほどの場所にあります。

取手福祉会館の駐車場は限られていますが、隣の河川敷に大きな駐車場があり、駐車には困りません。
茨城県は車社会なので、多くの方が車で来場されたかと思われます。

会場には9時前に到着しました。
本大会の主催は茨城常南支部です。
私が会場入りした時には、常南支部のスタッフが会場設営に取り掛かっておりました。

机の配置
机・椅子の準備
会場設営②
盤・駒配置

常南支部のスタッフはもちろん、連合会の役員の方々、選手、親御さんも積極的に会場設営を手伝ってくれています。

椅子の設置
椅子の設置
対局時計の設定
対局時計の設定

後方には保護者席も設置します。
大会によっては親御さんが会場に入れない所もあるようですが、お子さんをサポートされる親御さんにも快適に過ごしてほしいですし、お子さんの対局姿も見ていただきたいものです。

保護者席の設置
保護者席の設置

受付

受付の列
受付の列

9時15分頃から受付の開始です。

常南支部の県大会は事前申し込みではなく、当日受付としています。
受付は、まず参加申込用紙に、名前、住所、学校名、学年、参加クラスを記入します。

参加申し込み
参加申込用紙に記入

記入を終えると大会参加費を添えて申込用紙を受付に提出します。
参加費は500円で、他の県大会と比較すると安い方です。

ダイス

全国の都道府県大会を見ると1000円が相場のようです。
中には、無料で実施している県もあります。

受付
受付

受付を終えた子供達は開会式まで各々過ごします。
友達同士や親子で練習将棋を始めている光景は、どの子供将棋大会にも見られます。

練習将棋
練習将棋
親子で練習将棋
親子で練習将棋①
親子で練習将棋②
親子で練習将棋②

親御さんは後方のスペースに席を確保して、一日を過ごされます。

保護者席
保護者席

9時50分より、予選リーグのくじ引きが始まります。

中学生、小学生高学年、小学生低学年の順に呼ばれ、くじ引きが始まりました。

中学生のクジの様子
中学生のクジの様子

予選リーグはできれば強豪と当たりたくありません。
特に中学生や小学生高学年は知った顔が多く、誰がどれくらいの強さか大体わかっています。
「○○君と同じだ。最悪!」などと叫んでいる中学生君もいて、結構盛り上がってました。
(その叫んでいた中学生君は○○君に勝っていましたが(笑))

小学生高学年
高学年のクジの様子
低学年のクジの様子
低学年のクジの様子

会場の前方には、優勝トロフィーと2位、3位の盾が飾られています。

トロフィーと盾
トロフィーと盾

また本日の小学生の優勝者には「将ックス」さんから提供いただいた将棋靴下も贈られます。

「将ックス」の靴下
「将ックス」の靴下

「将ックス」の靴下は将棋の駒が刺繍された靴下です。
Amazonでも買えるのでお子さんのお祝いなどにいかがでしょうか。

参加人数

受付を終えて、茨城県大会の参加人数は下記の通りとなりました。
参加者は北は日立、西は古河、東は鹿嶋など茨城県各地から来られています。

茨城県大会参加人数・地域(昨年の参加人数)
  • 参加人数:69名(83名)
    • 中学生男子:18名(12名)
    • 中学生女子:4名(6名)
    • 小学生高学年:25名(38名)
    • 小学生低学年:11名(14名)
    • 交流クラス・C級:10名(13名) 
  • 地域別
    • 取手市:6名
    • つくば市:24名
    • ひたちなか市:3名
    • 守谷市:5名
    • 牛久市:4名
    • 水戸市:3名
    • つくばみらい市:1名
    • 神栖市:3名
    • 鹿嶋市:2名
    • 土浦市:6名
    • 古河市:3名
    • かすみがうら市:2名
    • 石岡市:1名
    • 日立市:1名
    • 阿見町:1名
    • 美浦村:1名
    • 東京葛飾区:1名(C級参加)
ダイス

県南(取手市)の開催とあって、つくば市、取手市、土浦市からの参加が多いですね。

開会式・ルール説明

開会式の様子
開会式の様子

10時10分になり、開会式が始まりました。
開会式は、日本将棋連盟茨城県支部連合会の市野塚会長、斉藤副会長からご挨拶をいただき、「将ックス」の伊藤さんも将棋靴下の紹介をされていました。

私もこの開会式で、大会記事を書くこと、写真を掲載することを説明させていただきました。

市野塚会長のご挨拶
市野塚会長のご挨拶
斉藤副会長のご挨拶
斉藤副会長のご挨拶
「将ックス」伊藤さんのご挨拶
「将ックス」伊藤さんのご挨拶

開会式の最後は本大会のルール説明です。
茨城常南支部の美馬支部長よりルール説明が行われました。

美馬支部長のルール説明
美馬支部長のルール説明
茨城県大会の大会/大会方式
  • 中学生男子の部、中学生女子の部、小学生高学年の部、小学生低学年の部、交流戦(C級)の部の5部門
    • 中学生男子、中学生女子の優勝者は、県代表として全国中学生選抜選手権大会の全国大会に出場する
    • 小学生高学年と低学年の優勝者は、県代表として全国小学生倉敷王将戦の全国大会に出場する
  • 中学生男子、小学生高学年、小学生低学年
    • 対局時計を使用(持ち時間20分、切れたら1手30秒未満)
    • 予選リーグ(2勝通過・2敗失格)後、通過者は代表を決めるトーナメント(A級)に参加
    • 予選リーグ敗退者はB級トーナメントに参加
    • 代表トーナメント、B級トーナメントは全ての順位を決める対局を行う
  • 中学生女子
    • 対局時計を使用(持ち時間20分、切れたら1手30秒未満)
    • 総当たり6回戦(3人×2回(先手後手を入れ替え))
  • 交流戦(C級)の部
    • スイス式トーナメント5回戦(対局時計は使用しない)

茨城常南支部では、予選リーグやトーナメント戦で敗退しても、たくさん対局ができるように最終の順位が決まるまで対局を行います。
また大会参加者全員に表彰状も配っています。

午前の部

選手は、スタッフが指定した席に着席し、いよいよ対局開始です。
一局目は市野塚会長の号令で一斉に対局が始まりました。

市野塚会長の号令
市野塚会長の号令

中学生男子、小学生(高学年・低学年)は午前中に予選リーグを行います。
2勝通過2敗失格システムで、2勝者は代表決定トーナメント(A級)へ進出し、2敗者はB級トーナメントへまわります。

小学生低学年の部

小学生低学年1
小学生低学年の部①

小学生低学年の部は11名の参加です。
低学年の多くが交流戦(C級)にも参加しており、その分低学年の部は少な目でした。

リーグ戦は、3~4人の3つのグループに分かれました。

小学生低学年の部②
小学生低学年の部②
小学生低学年の部③
小学生低学年の部③
小学生低学年の部④
小学生低学年の部④
小学生低学年の部⑤
小学生低学年の部⑤
小学生低学年の部⑥
小学生低学年の部⑥

大会の進行は茨城常南支部のスタッフである辻副支部長、小川副支部長、鎌田さん、辻悠久さんの4名が主に担当しました。

小川副支部長
小川副支部長
辻副支部長
辻副支部長
辻悠久さん
辻悠久さん

保護者席は後方に席を用意しました。
本を読まれている方、保護者同士で会話されている方など様々です。

後方で見守る保護者の方々
後方で見守る保護者の方々

午前の部の途中で元プロ棋士の永作芳也先生も会場に来られました。
永作先生は、潮来市や行方市で将棋教室を開いており、本大会にも生徒さんが何名か参加されているとのことです。

永作先生
永作先生

低学年の部は開始1時間ほどで予選リーグの3局を終えました。
結果、6人が決勝トーナメントへ、4人がB級トーナメントにまわりました。
(1人は予選リーグのみで終了)

小学生高学年の部

小学生高学年の部は25名が参加しました。
予選リーグは3~4名が7グループに分かれてリーグ戦を行いました。

小学生高学年の部①
小学生高学年の部①
小学生高学年の部②
小学生高学年の部②
小学生高学年の部③
小学生高学年の部③
小学生高学年の部④
小学生高学年の部④
小学生高学年の部⑤
小学生高学年の部⑤
小学生高学年の部⑥
小学生高学年の部⑥
小学生高学年の部⑦
小学生高学年の部⑦
小学生高学年の部⑧
小学生高学年の部⑧
小学生高学年の部⑨
小学生高学年の部⑨
小学生高学年の部⑩
小学生高学年の部⑩
小学生高学年の部⑪
小学生高学年の部⑪
小学生高学年の部⑫
小学生高学年の部⑫
小学生高学年の部⑬
小学生高学年の部⑬
小学生高学年の部⑭
小学生高学年の部⑭
小学永高学年の部⑮
小学永高学年の部⑮
小学生高学年の部⑯
小学生高学年の部⑯
小学生高学年の部⑰
小学生高学年の部⑰

高学年の部は12時頃に午前のリーグ戦が終了しました。
結果、14名が決勝トーナメントに、10人がB級トーナメントにまわりました。

中学生男子の部

中学生男子の部①
中学生男子の部①

中学生男子の部の参加者は18名。
18名を3~4人の5つグループに分け、リーグ戦が行われました。

中学生男子の部②
中学生男子の部②
中学生男子の部③
中学生男子の部③
中学生男子の部④
中学生男子の部④
中学生男子の部⑤
中学生男子の部⑤
中学生男子の部⑥
中学生男子の部⑥
中学生男子の部⑦
中学生男子の部⑦
中学生男子の部⑧
中学生男子の部⑧
中学生男子の部⑨
中学生男子の部⑨
中学生男子の部⑩
中学生男子の部⑩

中学生は一手一手をよく考えているので、あちこちで30秒将棋に突入していました。
予選リーグから過去の代表経験者2名が揃って1敗するなど全体的なレベルの高さを感じます。

予選リーグ全対局が終了したのは12時45分頃でした。
予選リーグの結果、10名が決勝トーナメントへ、8名がB級トーナメントにまわることになりました。

中学生女子の部

中学生女子の部①
中学生女子の部①

中学生女子の部は、4人が総当たりで6回戦を行います。
昨年は6人の参加でしたが、今年は4人の参加となりました。

ダイス

過去には参加者がいない年もあったのですが、4人も参加してくれたのは嬉しいですね。

女子同士の対局は茨城県でも数少ないので、棋譜も採譜されました。

中学生女子の部②
中学生女子の部②
中学生女子の部③
中学生女子の部③
棋譜を採譜

女子の部は総当たり6対局なので、お昼休憩後も対局は続きます。

C級交流戦の部

交流戦1
交流戦の部①

C級交流戦の部には10名が参加し、スイス式トーナメント5回戦が行われました。
C級交流戦は、低学年のお子さんが多かったですが、年長さんが二人、また他県から参加したお子さんもおりました。
(C級交流戦は他県からの参加もOK)

交流戦の部②
交流戦の部②
交流戦の部③
交流戦の部③
交流戦の部⑥
交流戦の部④
ダイス

初心者や初級者が気軽に参加できるC級交流戦があるのはいいですね。
多くの子供達に将棋大会に参加して、勝ち負け関係なく一日将棋を楽しんでほしいものです。

昼食休憩

昼食休憩は午前の対局が終わった子供達から取っていきます。
C級や低学年の子供達は11時半頃から昼休憩に入り、昼食を取ったり、練習将棋を楽しんだりしていました。

昼食を取られているご家族に写真を撮らせていただきました。

昼食風景①
昼食風景①
昼食風景②
昼食風景②

お昼休みの過ごし方は様々です。
練習将棋を指しているお子さんが多かったですが、みなそれぞれの時間を過ごしています。

親子で練習将棋
親子で練習将棋
仲間内で練習将棋
仲間内で練習将棋
ライバルと練習将棋
ライバルと練習将棋

午後の部(C級・小学生)

午後の部
午後の部

昼食休憩が終わり、午後の部が始まりました。
中学生の部は午前の対局が伸びていたため、C級や低学年の部から対局が再開されました。

C級交流戦の部

C級交流戦は、スイス式5回戦。
午後に残りの2回戦が行われました。

交流戦の部①
交流戦の部①
交流戦の部②
交流戦の部②

スイス式5回戦の結果、5戦全勝で小学2年生の田原口君が優勝となりました。

田原口君
C級交流戦優勝の田原口君

また年長の栗山君が4勝1敗で2位、同じく年長の大塚君が3勝2敗の3位に入りました。

C級交流戦の部の結果は下記の通りです。

C級交流戦最終結果
  • 優勝 田原口 輝(2年・葛飾区)
  • 2位 栗山 航大(年長・牛久市)
  • 3位 大塚 蒼太(年長・神栖市)
ダイス

年長さんの活躍が目立ちます。
将来が楽しみですね。

小学生低学年の部

小学生低学年の部の午後はトーナメント戦。
代表を決めるA級に6名、B級に4名が参加しました。

小学生低学年の部①
小学生低学年の部①
小学生低学年の部②
小学生低学年の部②
小学生低学年の部③
小学生低学年の部③

B級トーナメントは、栗山君と遠藤君が勝ち進み、決勝戦で栗山君が勝利して優勝となりました。

低学年B級の最終結果は下記の通りです。

低学年の部B級最終結果
  • 優勝 栗山 翔太(2年・牛久市)
  • 2位 遠藤 新大(2年・つくば市)
  • 3位 平田 礼二郎(3年・かすみがうら市)

低学年の代表決定トーナメント戦は予選1回戦を終えて、準決勝が始まりました。

低学年準決勝
低学年準決勝①
左:鮎川君、右:中岡君
低学年準決勝②
低学年準決勝②
左:有澤君、右:池本君

熱戦の結果、鮎川君が中岡君に、池本君が有澤君に勝利して決勝戦に進出しました。

いよいよ決勝戦。
全国小学生倉敷王将戦茨城県代表を決める一局です。

決勝戦、3位決定戦ともに棋譜を採譜します。

決勝戦
決勝戦
左:鮎川君、右:池本君
3位決定戦
3位決定戦
左:中岡君、右:有澤君

決勝戦は、池本君が鮎川君に勝ち、茨城県低学年代表の座を掴みました。

池本君は、3月に開催された公文杯小学生将棋名人戦の茨城県大会で2位に入る実力者。
低学年の中では一歩抜けている存在でしたが、実力通り全ての対局を勝ち切って見事優勝しました。
全国でも十分通用する棋力を持っているので、8月に開催される全国大会でも活躍が期待されます。

優勝した池本君
優勝した池本君

惜しくも2位となった鮎川君は、昨年大会はC級交流戦に出場していましたが、今年は低学年の部に参加。
交流戦から遙かにレベルの高い低学年の部で2位の成績は見事です。
古河市は茨城県の大会よりも埼玉県や栃木県の大会の方が地理的に近いこともあるので、他県の大会にもどんどん参加して、より強くなってほしいと思います。

準優勝の鮎川君
惜しくも準優勝の鮎川君

3位決定戦は、有澤君が中岡君に勝利しました。
有澤君は昨年はC級交流戦で優勝。
初めて全国大会につながる予選に出場しましたが、3位は立派な成績です。
引き続き将棋を楽しみながら、高学年になっても活躍してほしいと思います。

有澤君
3位の有澤君

4位の中岡君は昨年と同じ順位でした。
1年生の時から本大会に出場していますが、着実に棋力は上がっています。
自信を持って、県内外の大会に参加してほしいと思います。

中岡君
4位中岡君

小学生低学年の部A級の最終結果は下記の通りです。

低学年の部A級最終結果
  • 優勝 池本 明良(3年・ひたちなか市)
  • 2位 鮎川 燕成(3年・古河市)
  • 3位 有澤 信友(3年・古河市)
  • 4位 中岡 俊二郎(3年・守谷市)
ダイス

低学年の部は3年生の活躍が目立ちましたね。

小学生高学年の部

小学生高学年午後
小学生高学年の部

小学生高学年はA級の代表決定トーナメントとB級トーナメントに分かれて大会が進行しています。

B級トーナメントは10名が参加。
1回戦、準々決勝、準決勝と進みます。

高学年B級②
高学年B級①
高学年B級②
高学年B級②

最終、決勝戦で遠藤君が北村君に勝利してB級優勝となりました。

高学年の部B級決勝戦
高学年の部B級決勝戦
左:北村君、右:遠藤君

遠藤君は昨年の公文杯小学生将棋名人戦茨城県大会で4位に入る実力者。
また北村君も昨年の全国小学生倉敷王将戦低学年の部で2位に入っており、B級とは言え上位のレベルの高さがうかがえます。

高学年の部B級トーナメントの最終順位は下記の通りです。

高学年の部B級最終結果
  • 優勝 遠藤 新大(5年・つくば市)
  • 2位 北村 達明(4年・つくば市)
  • 3位 山脇 瑛太(6年・鹿嶋市)

A級の代表決定トーナメントは、予選リーグを2勝で通過した14名で争われます。

高学年の部①
高学年の部①
高学年の部②
高学年の部②
高学年の部③
高学年の部③
高学年の部④
高学年の部④

1回戦と準々決勝を終えて、準決勝が始まりました。

高学年の部準決勝①
高学年の部準決勝①
左:中村君、右:池本君
高学年の部準決勝②
高学年の部準決勝②
左:井ノ江君、右:伊藤君

準決勝の結果、中村君(4年)と伊藤君(5年)が決勝に進出しました。

中村君と伊藤君は、2年前の本大会低学年の部の決勝戦でも当たっています。
その時は伊藤君が勝利し、代表の座を獲得しました。

高学年の部決勝戦
高学年の部決勝戦
左:伊藤君、右:中村君

また高学年の部3位決定戦は、井ノ江君(6年)と池本君(6年)の対局となりました。

高学年の部3位決定戦
高学年の部3位決定戦
左:池本君、右:井ノ江君

激闘の結果、決勝戦は中村君が勝利、また3位決定戦は池本君が勝利しました。

中村君は公文杯小学生将棋名人戦に続いての県代表です。
昨年の本大会では低学年の部で全国制覇、また公文杯では全国3位に入っており、すでに棋力は全国トップクラス。
全国大会では普段の実力を存分に発揮して、優勝目指して頑張ってほしいと思います。

中村君
優勝の中村君

惜しくも2位の伊藤君は、昨年大会は3位、今年は2位に入りました。
一手一手に時間を使うようになってきており、昨年よりもまた一段と棋力が上がっている印象があります。
更なる棋力向上を目指して、引き続き頑張ってほしいと思います。

伊藤君
準優勝の伊藤君

3位の池本柳之介君は低学年で優勝した明良君のお兄さん。
茨城県大会では、昨年大会5位、公文杯5位、本大会3位と着実にステップアップしています。
普段から正座で対局しており、将棋に向かう真摯な姿勢は見るものにも伝わってきます。
準決勝で中村君に敗れはしましたが、全国レベルの相手と対局をしたことを自分の経験として更なる棋力向上を目指してほしいと思います。

池本君
3位の池本君

4位の井ノ江君は関東研修会E1の実力者。
1月の公文杯茨城県大会では3位に入っており、今回も4位と安定した実力を発揮しています。
着実に棋力は上がっていますので、研修会で研鑽を積みながら引き続き頑張ってほしいと思います。

井ノ江君
4位の井ノ江君

高学年A級の最終結果は下記の通りです。

高学年の部A級最終結果
  • 優勝 中村 清之介(4年・取手市)
  • 2位 伊藤 健太郎(5年・守谷市)
  • 3位 池本 柳之介(6年・ひたちなか市)
  • 4位 井ノ江 蒼馬(6年・つくば市)
ダイス

優勝した中村君は、茨城県代表として全国大会でもぜひ活躍してほしいですね。

午後の部(会場の様子)

中学生選抜選手権大会に入る前に午後の対局以外の様子をお伝えします。

対局も13時30分頃になると、全ての対局を終えた子供達が出てきます。
本大会では、アマ強豪の池田さん、佐々木さんが会場に来られ、子供達への指導対局をやっていただきました。

池田さん指導対局
池田さん指導対局
佐々木さん指導対局
佐々木さん指導対局

また元プロ棋士の永作先生も、対局終了後の感想戦に入ったり、子供達に指導対局もやっていただきました。

永作先生指導対局
永作先生

C級交流戦や低学年の部は早めに終了したため、表彰式も行われました。

表彰式の様子

15時頃には、小学生高学年の部も終了し、残るは中学生のみの対局となりました。
この時間になると、会場の後片付けが始まります。

茨城県大会では、後片付けが始まると、自然と保護者や子供達が手伝ってくれます。
今回も多くの方が手伝っていただき、机や椅子などの片付けがあっという間に終わりました。

後片付けの様子①
後片付けの様子①
後片付けの様子②
後片付けの様子②
ダイス

片付けを手伝っていただいた皆さん、ありがとうございました。

午後の部(中学生)

中学生の部(午後)
中学生の部(午後)

中学生女子の部

中学生女子は、午後も総当たりの対局が続きます。

中学生女子の部①
中学生女子の部①
中学生女子の部②
中学生女子の部②

総当たり6対局の結果、東海林さんが6戦全勝で優勝しました。

東海林さんは、昨年大会では4勝1敗で、最後の代表決定戦で尾畑さんに敗れ2位でした。
今年は全勝で昨年よりもさらに強くなっている印象です。
全国中学選抜選手権大会でも活躍を期待しています。

中学生女子の部の結果は下記の通りです。

中学生女子の部最終結果
  • 優勝 東海林 由乃(8年・土浦市)
  • 2位 尾畑 知和(8年・土浦市)
  • 3位 加古 瑠莉那(1年・日立市)
  • 4位 古野 莉奈(9年・土浦市)

※土浦市やつくば市は小学生の学年で数えられており、一般の中学2年生は8年生となっています。

女子は全敗者がおらず、4人がレベルの高い対局を繰り広げていました。
順位は紙一重の差だったと思います。

中学生男子の部

中学生男子は、A級代表決定トーナメントに10名、B級トーナメントに8名が参加しました。

8名で行われたB級トーナメントは、1回戦、準決勝(2回戦)、決勝(3回戦)が行われました。
小学生同様に最終順位を決めるまで対局が行われるので、全員が3対局を行ないました。

中学生男子B級の部①
中学生男子B級①
中学生男子B級の部②
中学生男子B級②
中学生男子B級の部③
中学生男子B級③

決勝戦は、前島君と安藤君の中学1年生同士の対決となり、前島君が勝利しました。

前島君
B級優勝の前島君

中学生男子B級の順位は下記の通りです。

中学生男子B級最終結果
  • 優勝 前島 竜成(1年・阿見町)
  • 2位 安藤 陸(1年・水戸市)
  • 3位 門脇 玲於奈(2年・つくば市)
  • 4位 立川 瑛大(1年・つくば市)

中学生男子A級トーナメント戦は、予選リーグを2勝で突破した10名で争われました。

中学生男子A級①
中学生男子A級①
中学生男子A級②
中学生男子A級②
中学生男子A級③
中学生男子A級③

1回戦、準々決勝が終わり、準決勝が始まりました。

中学生男子A級準決勝①
中学生男子A級準決勝①
左:山田君、右:泉田君
中学生男子A級準決勝②
中学生男子A級準決勝②
左:小林君、右:鬼澤君

準決勝の結果、小林君と泉田君が勝ち上がりました。

小林君と泉田君は同学年で小学生の頃から毎年のように代表権を争っています。
実際、2年前は小林君が泉田君に勝って代表権を獲得し、昨年は泉田君が小林君に勝っています。

中学生男子決勝戦
中学生男子決勝戦

ある程度の片付けも終えて、会場内は中学生男子の決勝戦と3位決定戦の2対局のみとなりました。
対局席の周りにはギャラリーが集まります。

ギャラリー
ギャラリー

3位決定戦は、鬼澤君が山田君に勝って3位となりました。

3位の鬼澤君
3位の鬼澤君
4位の山田君
4位の山田君

決勝戦は激戦の結果、泉田君が勝利して優勝となりました。

泉田君
優勝した泉田君
小林君
準優勝の小林君

感想戦には永作先生も入り、終盤入口の攻防について検討を行いました。

永作先生感想戦
感想戦
永作先生も加わる

中学生男子の部の結果は下記の通りです。

中学生男子A級最終結果
  • 優勝 泉田 遼(3年・つくばみらい市)
  • 2位 小林 凜空(3年・美浦村)
  • 3位 鬼澤 陸(3年・牛久市)
  • 4位 山田 陽斗(1年・土浦市)

優勝した泉田君は予選リーグで鬼澤君に1敗しており、また2位の小林君も同じく予選リーグで石原君(最終6位)に1敗しています。
茨城県中学生のレベルが上がっている証拠であり、誰が代表になってもおかしくないほど白熱した争いでした。

表彰式・閉会

閉会式の様子
閉会式の様子

各部門の対局が終了し、表彰式が行われました。
本大会を主催した茨城常南支部では、参加した子供達全員に順位をつけて表彰状を配っています。
本日も全参加者69人に表彰状が贈られ、その健闘を称えました。

各部門の2位までの表彰の様子を紹介します。

C級優勝_田原口君
C級優勝 田原口君
C級2位_栗山君
C級2位 栗山航大君
低学年B級優勝_栗山君
低学年B級優勝 栗山翔太君
低学年B級2位_遠藤君
低学年B級2位 遠藤叶大君
低学年A級優勝_池本君
低学年A級優勝 池本君
低学年A級2位_鮎川君
低学年A級2位 鮎川君
高学年B級優勝_遠藤君
高学年B級優勝 遠藤新大君
高学年B級2位_北村君
高学年B級2位 北村君
高学年A級優勝_中村君
高学年A級優勝 中村君
高学年A級2位_伊藤君
高学年A級2位 伊藤君
中学生女子優勝_東海林さん
中学生女子優勝 東海林さん
中学生女子2位_尾畑さん
中学生女子2位 尾畑さん
中学生男子B級優勝_前島君
中学生男子B級優勝 前島君
中学生男子B級2位_安藤君
中学生男子B級2位 安藤君
中学生男子A級優勝_泉田君
中学生男子A級優勝 泉田君
中学生男子A級2位_小林君
中学生男子A級2位 小林君

閉会時には永作先生から大会の総評をいただきました。

永作先生
永作先生

最後に、残っていた全員でジャンケン大会を実施し、会場は大いに盛り上がりました。
このジャンケン大会に勝った方は美馬支部長の著作「穴熊道のすすめ」が贈られました。

じゃんけん大会
じゃんけん大会
著:美馬和夫, 著:遠藤正樹, 読み手:広瀬章人(推薦)
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ジャンケン大会を終え、閉会となりました。
最後に残りの後片付けと撤収作業を行います。

撤収作業_
撤収作業

全ての作業を終えて、会場を後にしたのは、17時前でした。

退場
退場

あとがき

対局

昨年に引き続き、倉敷王将戦茨城県大会を取材し、記事を書かせていただきました。
今年は中学選抜選手権大会も同時開催だったため、こちらの模様も書かせていただきました。

本大会は茨城常南支部主催で開催されていましたが、長年子供大会を毎年のように実施していることもあり、大きなトラブルもなく、スケジュール通りに大会が進行されました。

今回も幅広い棋力の子供達に参加してもらおうと、交流クラスのC級を用意し、なおかつ予選リーグ敗退者のためのB級トーナメントのクラスも作っていました。
午後の部は、C級、低学年B級、低学年A級、高学年B級、高学年A級、中学生女子、中学生男子B級、中学生A級の8部門が同時に進行していきましたが、特に大きなトラブルもなく、参加された69名のお子さんも一日将棋を楽しめたのではないでしょうか。

前述しましたが、茨城常南支部では参加したお子さん全員に表彰状を発行し、表彰しています。
普段表彰状をもらわないお子さんや親御さんの思い出の品になっていれば幸いに思います。

また会場後方には、保護者のための椅子・机も設置し、待機される方々にも配慮されていました。
見る将の親御さんの中にはお子さんの対局をじっくり観戦されている方もいましたし、親御さんも会場内でそれぞれの過ごし方ができていたように思います。

ダイス

子供達への将棋の普及活動を考えた時に、サポートされる親御さんの満足度も大切です。

今回参加人数が昨年は小学生・中学生合わせて85名だったのに対して、今回は69名と減ってしまったことは残念でしたが、来年は今年よりも参加人数が増えることを願いながら、私も茨城常南支部の役員として子供達への普及活動に貢献していきたいと思っています。

今回は、茨城県取手市で開催された全国小学生倉敷王将戦・全国中学生将棋選手権大会の茨城県大会の模様を記事にしました。この記事がみなさまの参考になったり、良き思い出になれば幸いです。

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