1月29日、茨城県日立市で開催された第48回公文杯小学生将棋名人戦の茨城県大会を観戦させていただきました。
今回は茨城県大会の模様を報告させていただきます。
- 公文杯小学生将棋名人戦/茨城県大会の模様
- 長男(高2)と次男(中1)を持つ親将(親将歴11年)
- 日本将棋連盟茨城常南支部会員
- 千駄ヶ谷連盟道場初段、将棋ウォーズ二段
- 2022年11月から「こども将棋情報室」のサイトを運営
公文杯小学生将棋名人戦 茨城県大会
公文杯小学生将棋名人戦は今回で第48回目。
過去に羽生九段や渡辺名人が小学生時代に優勝している本大会ですが、茨城県では第9回大会(1984年)で現在プロ棋士の窪田七段が全国優勝されています。
また、第40回大会(2015年)と第41回大会(2016年)では、2年連続で正道直さんが準優勝されています。
正道直さんは、全国小学生倉敷王将戦でも、低学年の部(2013年)と高学年の部(2016年)で全国優勝されています。
茨城県大会はもちろん全国大会でもすさまじい活躍でした。
第48回公文杯小学生将棋名人戦は、11月20日の宮城県大会を皮切りに全国各地で都道府県大会が実施されています。
全国大会の結果は下記ページで随時更新しています。
茨城県大会は1月29日、県北の日立市シビックセンター/マーブルホール会議室で開催されました。
私は運営のお手伝いと観戦記執筆のために、事前に主催の茨城日立支部様に許可をいただき、来場させていただきました。
また指導対局のお手伝いで次男(中学1年)も一緒に来てもらいました。
入場・開会式(9:00~10:00)
受付(9:00~9:50)
私達は県南の自宅を7時10分に出て、高速道路を使って1時間半。日立市に着いたのは8時40分頃でした。
コンビニの駐車場で軽い朝食を取り、現地シビックセンターには9時過ぎに到着しました。
日立支部のスタッフの方々が会場の設営と対局時計の設定をされています。
9時10分頃から来場者がぞくぞくと来られます。
こちらも日立支部のスタッフさんが受付応対されています。
受付でくじを引いて予選リーグの対局相手が決められます。
受付では、事前申し込みされた参加者の名札カードが準備されていました。
名前と顔が一致して対局相手をすぐに見つけることができるので、名札カードはいいアイデアですね。
つくばから来られた兄弟君に名札カードを見せていただきました。
開会式(9:50~10:00)
9時50分より開会式が始まります。
茨城県支部連合会/市野塚会長の挨拶から始まり、美馬審判長のルール説明と続きます。
茨城県大会の参加者は45名で、地元の日立、水戸、つくば、土浦、守谷、取手など茨城県各地からお子さんが来られていました。
大会方式
茨城県大会の大会方式は下記の通りです。
- 全対局に対局時計を使用(持ち時間15分、切れたら1手30秒未満)
- 全参加者で4人1組の予選リーグ(2~3対局)を実施し、クラス分けを行う。
- 2勝および2勝1敗:公文杯代表戦決勝トーナメント(県代表決定戦)
- 1勝:B級(スイス式4回戦)
- 0勝:C級(スイス式4回戦)
また早期敗退したお子さんのために、アマチュア強豪の指導対局の場も用意しています。
過少申告を避けるためにもクラス分けの予選リーグを実施するのはいいですね。
予選リーグ(10:00~11:30)
予選リーグ
10時より4人一組の予選リーグが始まります。
予選リーグの対戦相手はクジで決まるので、いきなり強豪同士で当たることもあります。
実際、1回戦で2022年度全国倉敷王将戦の高学年代表と低学年代表の代表同士の対局もありました。
以下予選リーグの様子
予選リーグは11時30分には全対局が終了しました。
予選リーグの結果については、受付横のホワイトボードに掲示しています。
指導対局
予選リーグ開始30分もすると、早々に2勝し、公文杯代表決勝トーナメントに進出が決まるお子さんが出てきます。
午後の対局までお昼休憩の時間を入れても長い時間があるので、ここで午前の指導対局も実施しました。
指導対局は次男君の他に県内アマ強豪の北村一晃さん、池田周平さんに参加いただき、3名で実施しました。
2面指しで手合いは下手の希望で行います。
指導対局で勝利したお子さんには景品も配られます。
指導対局の様子
指導対局は昼休憩を挟んで午後も実施しました。
2回目の指導対局を申し込むお子さんもいて、合計30局程度の指導対局ができました。
午後の部(12:00~14:45)
昼食休憩後に、午後の部が始まります。
午後の部は、①公文杯代表戦、②B級、③C級に3部門に分かれます。
それぞれの参加人数は下記の通りです。
午後の部 参加人数:合計44名
- 公文杯代表戦:24名
- B級:12名
- C級:8名
C級
C級は8名によるスイス式4回戦を行いました。
初心者~中級者の部に位置されますが、対局時計も使いこなしながら、みなさん対局姿勢もよく将棋を指されていました。
C級 対局の様子
結果は長岡君が4連勝で優勝。
3勝1敗で山本君と高見君が並びましたが、高見君が勝った相手の勝ち星が多く、2位となりました。
第48回公文杯小学生将棋名人戦/茨城県大会 C級の部結果(敬称略)
※8名参加
- 優勝:長岡 樹(4年)
- 2位:高見 彩斗(5年)
- 3位:山本 伊吹(3年)
- 4位:山本 那由多(5年)
B級
B級は12名のスイス式4回戦です。
中級者~初段かと思われますが、1年生も2名参加しておりました。将来が楽しみです。
B級 対局の様子
結果は2年生の北村君が4連勝で優勝。
2位は、山田君と中山君が3勝同士で並んだため、2位決定戦を実施し、山田君が勝利しました。
第48回公文杯小学生将棋名人戦/茨城県大会 B級の部結果(敬称略)
※12名参加
- 優勝:北村 達明(2年)
- 2位:山田 陽斗(5年)
- 3位:中山 穂高(5年)
- 4位:伊藤 歩高(4年)
公文杯小学生将棋名人戦 代表決定戦
代表決定戦は、完全ガチのトーナメント戦です。
予選リーグを2勝した24名が代表戦に参加しました。
24名の中には、2022年倉敷王将戦高学年県代表、2022年倉敷王将戦低学年県代表、テーブルマーク関東大会低学年の部優勝者、昨年の茨城県大会準優勝者など実績者が数多く参加されています。
参加者の棋力は初段以上かと思われます。
トーナメント戦なので、クジ運も上位進出に影響してきます。
実際、2回戦で優勝候補の2人が当たる対局もありました。
公文杯代表決定戦 対局の様子
準決勝から対局場所を他と隔離し、ここから棋譜取りも行われます。
ここで採取した棋譜は、後に茨城新聞に掲載されることがあります。
準決勝に進出した4名
準決勝の熱戦を見ようと、親御さん達のギャラリーも集まってきます。
熱戦の結果、石原君が紙山君に、小針君が遠藤君に勝利し、決勝に進みました。
代表決定戦では、ベスト8以上から順位決定戦も行われています。
ベスト8敗退者4名での5位決定戦も行われていました。
いよいよ決勝戦です。
決勝戦は、3位決定戦と同時に行われました。
準決勝同様に棋譜を取り、また決勝戦は美馬審判長の立ち合いの元で行われます。
決勝戦・三位決定戦進出者(敬称略)
- 決勝戦:石原成流 ー 小針智
- 3位決定戦:紙山陽翔 ー 遠藤新大
3位決定戦は、紙山君が遠藤君に勝利し、3位となりました。
決勝戦は横歩取りの大乱戦。
一歩間違えると即敗勢に陥る難しい将棋で、最初から最後まで白熱した対局になりました。
終盤になるとギャラリーの数もさらに増えてきます。
大熱戦の決勝戦でしたが、終盤でやや優位に立った石原君がそのまま押し切り、茨城県代表の座を掴みました。
石原君は2022年度倉敷小学生王将戦の高学年代表に続いての代表となります。
東日本大会では、2日目の決勝トーナメント進出を目指し、初日の予選リーグを突破してほしいと思います。
2位の小針君は残念でしたが、厳しい決勝トーナメントを勝ち上がっての決勝進出は見事です。
将棋の内容も充実しており、自信になったのではないでしょうか。
次の倉敷王将戦を目指して棋力向上に励んでほしいと思います。
第48回公文杯小学生将棋名人戦/茨城県大会 代表決定戦結果(敬称略)
※24名参加
- 優勝:石原 成流(5年)
- 2位:小針 智(5年)
- 3位:紙山 陽翔(5年)
- 4位:遠藤 新大(3年)
- 5位:井ノ江 蒼馬(4年)
- 6位:天野 遥貴(4年)
- 7位:中村 爽太朗(4年)
- 8位:三谷 修司(3年)
入賞された方おめでとうございます。
残念ながら入賞ならなかった子供達もよく頑張りました。
表彰式・閉会(14:45~15:00)
14時45分に決勝戦の対局が終わり、全対局が終了しました。
最後に表彰式と入賞者の記念撮影がありました。
表彰式では、表彰状と記念品、賞品が上位入賞者に贈られました。
各部門の優勝者
最後に代表戦からC級までの上位入賞者で記念撮影を行いました。(おめでとうございます!)
表彰式を終えて、15時に閉会となりました。
閉会後は日立支部さんの後片付け。
対局時計や本日使用した小道具をスーツケースなどに詰め込んで、持ち帰ります。
(後片付けも大変です。)
公文杯小学生将棋名人戦/茨城県大会 あとがき
第48回公文杯小学生将棋名人戦/茨城県大会は、特にトラブルもなく盛況に終えることができました。
本大会を主催いただいた日立支部のスタッフは矢代支部長を中心に、周到に準備をされているように感じました。
おかげで進行がとてもスムーズで、受付の9時から閉会の15時まであっという間でした。
代表決定戦の決勝トーナメントは時間を要する「15分・30秒ルール」を採用していました。
その中でも決勝トーナメントの5対局を3時間で終えることができました。
本大会の良かった点をまとめました。
- 大会進行がスムーズ(支部長と受付スタッフの段取りと連携が秀逸)
- 午前の予選リーグでクラス分けがあり、午後の対局も参加できる(全対局者が一日楽しめるシステム)
- 事前に名札を用意しており、顔と名前が一致できる
- 準決勝以降は、対局席を隔離した(対局者が将棋に集中できる)
- 指導対局を用意しており、待ち時間に指導を受けられる
- 準決勝以降の棋譜は茨城新聞に掲載される
- 保護者の席が設けられており、休むことができる
- 会場内は自由に回ることができるため、子ども達の将棋を観戦できる (ただし観戦ルールあり)
- 大会結果がすぐに茨城支部連合会のHPに掲載される
お子さんも親御さんもストレスなく大会に参加できたのではないでしょうか。
第48回公文杯小学生将棋名人戦は全国各地で開催されており、県代表を決める熱い対局が繰り広げられているかと思います。
今回は私の地元茨城県の大会を観戦し、記事にさせていただきました。
一地方の子供将棋大会の模様をお伝えしましたが、この記事を見て、一人でも大会に参加してよかった、また今後参加したいと思っていただければ幸いです。
本大会にご協力いただいた茨城県支部連合会の役員の方々、お子さんを引率された親御さん、将棋教室の先生方、一日お世話になりありがとうございました。
最後に、事前準備から大会当日は裏方で奔走され、本大会を成功裏に収めた日立支部のスタッフさんをもう一度クローズアップして、拍手を送りたいと思います。
ありがとうございました。
日立支部では大会運営にご協力いただける親御さんを随時募集しています。
よりいい大会運営ができるようにご協力いただく方がいらっしゃれば幸いです。
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