4月29日(火・祝)に茨城県取手市で開催された茨城県大会(第24回全国小学生倉敷王将戦・第46回中学生選抜将棋選手権大会)を取材しましたので、その模様を報告します。

- 長男(大学2年)と次男(高校1年)を持つ親将(親将歴14年)
- 日本将棋連盟茨城常南支部役員 広報部長
- 千駄ヶ谷連盟道場初段、将棋ウォーズ二段
- 2022年11月から「こども将棋情報室」のサイトを運営
本記事に使用している写真は開会式時にご説明した通りモザイクなどの加工処理なしで掲載しています。
もし不都合のある方がおられましたら、最下部にある「お問い合わせ」よりご連絡ください。
全国小学生倉敷王将戦・全国中学生選抜将棋選手権大会

全国につながる小学生将棋大会の一つ全国倉敷王将戦、中学生将棋最高峰の中学生選抜将棋選手権大会は共に8月に全国大会が開催されます。
その全国大会に参加する茨城県代表を決める県大会が4/29(火・祝)に茨城県取手市で開催されました。
昨年に引き続き、倉敷王将戦と中学生選抜将棋選手権大会が同日・同会場で開催され、のべ61名の小中学生が参加してくれました。
全国小学生倉敷王将戦

全国小学生倉敷王将戦は、今年で24回目となります。
毎年夏に岡山県倉敷市で開催される全国小学生倉敷王将戦。
小学生の将棋大会では、公文杯小学生将棋名人戦と並ぶ全国規模の権威ある大会です。
倉敷王将戦は、小学生名人戦と同じく全国各都道府県で予選会が行われ、全国大会に出場する代表者を決めます。
小学生名人戦は都道府県で代表者は1名だけですが、倉敷王将戦は高学年の部と低学年の部が分かれているため、各都道府県の予選会で高学年代表と低学年代表を決めることになります。

低学年の部で都道府県代表になれるのも魅力の一つです。
倉敷王将戦の全国大会は、高学年の部・低学年の部共に64名が参加します。
東京都や大阪府などの人口の多い都道府県や岡山近郊の広島県、香川県などは2名の代表枠があり、また大山名人にゆかりある青森県おいらせ町、倉敷市などは市町村単位で代表者を選出できます。
茨城県では、正道直さんが、2013年(第12回大会)で低学年の部優勝、2016年(第15回大会)で高学年の部で全国優勝しています。
また昨年2023年(第21回大会)では、中村清之介君が、低学年の部で全国優勝を果たしています。
全国中学生選抜将棋選手権大会


全国中学生選抜将棋選手権大会は、毎年8月に山形県天童市で開かれる中学生チャンピオンを決める大会です。
特徴として男子の部と女子の部があり、8月2日から4日まで2泊3日かけて将棋大会や各イベントに参加します。
大会期間中は所属中学校の制服を着用すること、開会式・閉会式には彬子女王殿下も参列し、大変格式のある将棋大会となっています。
天童市や天童青年会議所のみなさんが作り上げる将棋大会は、他の小中学生の大会とはまた違った雰囲気で行われる大会となっています。



参加者同士で寝泊まりもするので、まるで修学旅行のような将棋大会です。
昨年度全国大会の記事はこちら


準備から開会式まで
会場設営


4月29日(火)、茨城県大会は取手市で開催されました。
当日の天候は快晴。
気温もちょうどよく絶好の行楽日和です。
会場は取手福祉会館3Fの会議室。
取手福祉会館は、JR取手駅から徒歩10分ほどの場所にあります。
取手福祉会館の駐車場は限られていますが、隣の河川敷に大きな駐車場があり、駐車には困りません。
茨城県は車社会なので、多くの方が車で来場されたかと思われます。






この日は消防のイベントが行われていた
会場には9時前に到着しました。
本大会の主催は茨城常南支部です。
私が会場入りした時には、常南支部のスタッフが会場設営に取り掛かっておりました。






ものの10分ほどで会場は出来上がっていきます。
この時間から参加者・保護者がぞくぞくと会場入りします。
後方保護者席の設営は親御さん達にも手伝っていただきました。





保護者の方々が積極的に手伝っていただけるので、本当にありがたいです。
ものの10分ほどで、会場の設営が完了しました。


受付
9時10分頃から受付の開始です。
常南支部の県大会は事前申し込みではなく、当日受付としています。
受付は、まず参加申込用紙に、名前、住所、学校名、学年、参加クラスを記入します。


入口前の机で申込用紙に記入


記入を終えると大会参加費を添えて申込用紙を受付に提出します。
参加費は500円で、他の県大会と比較すると安い方です。



全国の都道府県大会を見ると1000円が相場のようです。
中には、無料で実施している県もあります。


受付を終えた子供達は開会式まで各々過ごします。
友達同士や親子で練習将棋を始めている光景は、どの子供将棋大会でも見られます。




強豪もリラックスして過ごしている




会場全体の様子
親御さんは後方のスペースに席を確保して、一日を過ごされます。


会場前方には、本日の賞品(トロフィー、盾)が飾られています。
中学生男子・女子、小学生高学年・低学年とそれぞれ3位までが用意されています。


9時40分より、予選リーグのくじ引きが始まります。
小学生高学年、中学生男子、小学生低学年の順に呼ばれ、くじ引きが始まりました。
中学生女子は総当たりなので、くじはありません。






抽選を終えると対局席の案内です。
常南支部役員の鎌田さんが選手の名前を呼んで対局席に案内します。


参加人数
受付を終えて、茨城県大会の参加人数は下記の通りとなりました。
参加者は北は日立、西は古河、東は鹿嶋など茨城県各地から来られています。
また、C級交流戦には千葉県からも3名が参加しました。
- 参加人数:61名(69名)
- 中学生男子:16名(18名)
- 中学生女子:4名(4名)
- 小学生高学年:24名(25名)
- 小学生低学年:10名(11名)
- 交流クラス・C級:7名(10名)
- 地域別
- つくば市:18名
- ひたちなか市:6名
- 牛久市:5名
- 土浦市:5名
- 取手市:3名
- 守谷市:3名
- 竜ケ崎:3名
- 鹿嶋市:3名
- 神栖市:3名
- 古河市:3名
- 水戸市:2名
- 日立市:2名
- 石岡市:1名
- 阿見町:1名
- 千葉柏市:1名(C級参加)
- 千葉流山市:1名(C級参加)
- 千葉市川市:1名(C級参加)



つくば市が18名と参加人数が一番多かったです。
開会式・ルール説明


10時になり、開会式が始まりました。
開会式は、日本将棋連盟茨城県支部連合会の市野塚会長、斉藤副会長からご挨拶をいただき、「将ックス」の伊藤さんも将棋靴下の紹介をされていました。
私もこの開会式で、大会記事を書くこと、写真を掲載することを説明させていただきました。




開会式の最後は本大会のルール説明です。
茨城常南支部の美馬支部長よりルール説明が行われました。


- 中学生男子の部、中学生女子の部、小学生高学年の部、小学生低学年の部、交流戦(C級)の部の5部門
- 中学生男子、中学生女子の優勝者は、県代表として全国中学生選抜選手権大会の全国大会に出場する
- 小学生高学年と低学年の優勝者は、県代表として全国小学生倉敷王将戦の全国大会に出場する
- 中学生男子、小学生高学年、小学生低学年
- 対局時計を使用(持ち時間20分、切れたら1手30秒未満)
- 予選リーグ(2勝通過・2敗敗退)後、通過者は代表を決めるトーナメント(A級)に参加
- 予選リーグ敗退者はB級トーナメントに参加
- 代表トーナメント、B級トーナメントは全ての順位を決める対局を行う
- 中学生女子
- 対局時計を使用(持ち時間20分、切れたら1手30秒未満)
- 総当たり6回戦(3人×2回(先手後手を入れ替え))
- 交流戦(C級)の部
- スイス式トーナメント5回戦(対局時計は使用しない)
茨城常南支部では、予選リーグやトーナメント戦で敗退しても、たくさん対局ができるように最終の順位が決まるまで対局を行います。
また大会参加者全員に表彰状も配っています。
午前の部


開会式が終わり、いよいよ対局開始です。
一局目は市野塚会長の号令で一斉に対局が始まりました。
中学生男子、小学生(高学年・低学年)は午前中に予選リーグを行います。
2勝通過2敗失格システムで、2勝者は代表決定トーナメント(A級)へ進出し、2敗者はB級トーナメントへまわります。
小学生低学年の部


小学生低学年の部は10名の参加です。
リーグ戦は、3~4人の3つのグループに分かれました。








大会の進行は茨城常南支部のスタッフである辻副支部長、小川副支部長、鎌田さん、辻悠久さんの4名が主に担当しました。




親御さんは後方の保護者席で待機されている方や対局を観戦されている方など様々でした。


低学年の部は開始1時間ほどで予選リーグの3局を終えました。
結果、6人が決勝トーナメントへ、4人がB級トーナメントにまわりました。
小学生高学年の部


小学生高学年の部は24名が参加しました。
予選リーグは4名が6グループに分かれてリーグ戦を行いました。
























高学年の部は12時頃に午前のリーグ戦が終了しました。
結果、12名が決勝トーナメントに、12人がB級トーナメントにまわりました。
高学年の部は、昨年大会優勝の中村君、昨年2位の伊藤君、公文杯小学生名人戦の県代表高森君などの強豪が順当に予選リーグを突破しました。
中学生男子の部


中学生男子の部の参加者は16名。
16名を4人の4つグループに分け、リーグ戦が行われました。






















中学生の部の予選リーグ全対局が終了したのは12時40分頃でした。
予選リーグの結果、8名が決勝トーナメントへ、8名がB級トーナメントにまわることになりました。
中学生女子の部


中学生女子の部は、2年前に優勝した尾畑さんと昨年優勝の東海林さんの代表経験者2名に、昨年三位で2年生の加古さん、新鋭1年生の森川さんを加えた4名が参加しました。
4人が総当たりで6回戦を行います。
過去大会では女子の参加がなかったこともありましたが、今年も4人が参加してくれました。






女子の部は、2対局を終えた時点で、全員が1勝1敗の大混戦。
総当たり6対局なので、お昼休憩後も熱戦は続きます。



女子の部が盛り上がるのは運営側としても嬉しいです。
C級交流戦の部


C級交流戦の部には7名が参加し、スイス式トーナメント5回戦が行われました。
C級交流戦は他県の参加もOKで、千葉県から3名のお子さんも参加されました。






C級参加は7名だったので、親将さんが一人人数合わせで参加されました。


親将さんが人数合わせで参加



初心者や初級者が気軽に参加できるC級交流戦があるのはいいですね。
多くの子供達に将棋大会に参加して、勝ち負け関係なく一日将棋を楽しんでほしいものです。
昼食休憩
昼食休憩は午前の対局が終わった子供達から取っていきます。
C級や低学年の子供達は11時半頃から昼休憩に入り、昼食を取ったり、練習将棋を楽しんだりしていました。
昼食を取られているご家族に写真を撮らせていただきました。




お昼休みの過ごし方は様々です。
練習将棋を指しているお子さんが多かったですが、中には詰将棋を解きながら次の対局に備えているお子さんもいました。


午後の部(C級・小学生)


13時少し前に昼食休憩が終わり、午後の部です。
小学生高学年、C級の部から手合いがついていき、対局が始まりました。
C級交流戦の部
C級交流戦は、スイス式5回戦。
午後に残りの対局が行われました。




スイス式5回戦の結果、5戦全勝で小学2年生の松澤君が優勝となりました。


また3勝2敗で馬場君と早川君が並びましたが、得点計算で馬場君が上回り2位となりました。


C級交流戦の部の結果は下記の通りです。
- 優勝 松澤 勇之助(2年・柏市)
- 2位 馬場 隆成(2年・流山市)
- 3位 早川 竣介(3年・市川市)



C級交流戦は千葉県から参加の3名が上位に入りました。
千葉県大会でも頑張ってほしいですね。
小学生低学年の部


小学生低学年の部の午後はトーナメント戦。
代表を決めるA級に6名、B級に4名が参加しました。
B級トーナメントは、栗山翔太君と伊藤君が勝ち進み、決勝戦で栗山君が勝利して優勝となりました。
栗山君は2年連続で低学年B級優勝となりました。


低学年B級の最終結果は下記の通りです。
- 優勝 栗山 翔太(3年・牛久市)
- 2位 伊藤 碧(3年・牛久市)
- 3位 田代 陸人(3年・取手市)
- 4位 田邉 蒼馬(2年・竜ケ崎市)
低学年の代表決定トーナメント戦は予選1回戦を終えて、準決勝が始まりました。


左:栗山君 / 右:阿部君


左:大藤君 / 右:大塚君
低学年の部準決勝は、阿部君が栗山航大君に、大藤君が大塚君に勝利して決勝戦に進出しました。
いよいよ決勝戦。
全国小学生倉敷王将戦茨城県代表を決める一局です。
決勝戦は棋譜を採取するために、ビデオ撮影をしながら行われました。


ビデオ撮影で棋譜を採譜
本大会では、要所の対局でビデオや記録係による棋譜を取りました。
好局の場合は後日茨城新聞の「茨城将棋」の欄で紹介されます。



自分の棋譜が解説付きで新聞に掲載されると嬉しいものですね。
熱戦の結果、阿部君が大藤君に勝ち、茨城県低学年代表の座を掴みました。
阿部君は、11月の公文杯小学生名人戦県大会で2年生ながら6位に入るほどの実力者。
本大会は予選リーグで1敗しましたが、うまく切り替えて決勝トーナメントでは3連勝することができました。
全国大会ではさらなる猛者が待ち受けていますが、自分の将棋に自信を持って粘り強く指してほしいと思います。


惜しくも2位となった大藤君は、倉敷王将戦の県大会は初参加でしたが、2位は立派な成績です。
南守谷将棋教室でも着実に昇級しており、楽しみな存在です。


低学年の部の3位決定戦は、大塚君と栗山君の一年生対決でした。
この対局は大塚君が勝利して、3位となりました。


左:栗山君 / 右:大塚君



大塚君と栗山君は共に1年生。
今後の成長が楽しみです。
- 優勝 阿部 亮太(3年・つくば市)
- 2位 大藤 桐真(3年・つくば市)
- 3位 大塚 蒼太(1年・神栖市)
- 4位 栗山 航大(1年・牛久市)
小学生高学年の部
小学生高学年はA級の代表決定トーナメントとB級トーナメントに分かれて大会が進行しています。
B級トーナメントは12名が参加。
1回戦、準々決勝、準決勝と進みます。








最終、決勝戦で中岡君が來住君に勝利してB級優勝となりました。


左:中岡君 / 右:來住君
高学年の部B級トーナメントの最終順位は下記の通りです。
- 優勝 中岡 俊二郎(4年・守谷市)
- 2位 來住 隼佑(5年・神栖市)
- 3位 鮎川 燕成(4年・古河市)
高学年の部A級の代表決定トーナメントは、予選リーグを2勝で通過した12名で争われました。




準決勝を終えて、決勝には高森君(6年)と中村君(5年)が進出しました。
この二人は共に関東研修会に在籍する実力者。
11月の公文杯小学生将棋名人戦の茨城県大会決勝でも対局しており、その時は高森君が勝利して代表となっていました。
激闘の末、中村君が優勝し、見事2年連続の代表の座を掴みました。


左:高森君 / 右:中村君
中村君は、関東研修会B2に在籍し、研鑽を積んでいます。
低学年の部では全国優勝、昨年の公文杯小学生名人戦では全国3位と実績十分。
全国でも有名な小学生強豪が倉敷王将戦高学年の部でも栄冠に輝くのか、全国大会も注目しています。


高森君は小学生最後の倉敷王将戦で残念ながら県大会で敗退となりました。
今年の公文杯小学生名人戦では県大会決勝で中村君に勝って代表となり、東日本大会でも全国の強豪を次々と破り、ベスト8に入りました。
この数年の棋力の伸びは県内随一かと思います。
プロ棋士を目指しているとのことなので、夢に向かって頑張ってほしいと思います。


また3位決定戦は、伊藤君が北村君に勝って、三位となりました。
伊藤君は昨年の2位に続き、上位入賞です。


左:伊藤君 / 右:北村君
高学年A級の最終結果は下記の通りです。
- 優勝 中村 清之介(5年・取手市)
- 2位 髙森 勇吹(6年・鹿嶋市)
- 3位 伊藤 健太郎(6年・守谷市)
- 4位 北村 達明(5年・つくば市)



倉敷王将戦の全国大会に出場する阿部君と中村君には、茨城県代表として活躍してほしいと思います。
午後の部(中学生)


中学生女子の部
中学生女子は、午後も総当たりの対局が続きます。




総当たり6対局の結果、加古さんが5勝1敗で優勝しました。
加古さんは、昨年大会では2勝4敗で三位でした。
昨年とほとんど同じ相手の中でこの一年間で力をつけた印象です。
全国中学選抜選手権大会でも活躍を期待しています。


中学生女子の部の結果は下記の通りです。
- 優勝 加古 瑠莉那(2年・日立市)
- 2位 尾畑 知和(9年・土浦市)
- 3位 東海 林由乃(9年・土浦市)
- 4位 森川 葵(1年・竜ケ崎市)
※土浦市やつくば市は小学生の学年で数えられており、一般の中学3年生は9年生となっています。
昨年代表だった東海林さん、二年前の代表だった尾畑さんは最後の学年でしたが残念でした。
共に中学1年生(7年生)の時より出場してくれており、この3年間、女子の部を盛り上げてくれました。
高校でも女子の部はあるので、そのまま将棋を続けてほしいと思います。
森川さんは1勝でしたが、強い三人相手に善戦しました。
まだ一年生なので、来年・再来年とまた参加してほしいと思います。
中学生男子の部
中学生男子は、A級代表決定トーナメントに8名、B級トーナメントに8名が参加しました。
8名で行われたB級トーナメントは、1回戦、準決勝(2回戦)、決勝(3回戦)が行われました。
小学生同様に最終順位を決めるまで対局が行われるので、全員が3対局を行ないました。








決勝戦は、門脇君と梶原君の対決となり、梶原君が勝利して、B級優勝となりました。


中学生男子B級の順位は下記の通りです。
- 優勝 梶原 稜平(7年・つくば市)
- 2位 門脇 玲於奈(3年・つくば市)
- 3位 中村 爽太朗(1年・取手市)
- 4位 山本 那由多(2年・日立市)
中学生男子A級トーナメント戦は、予選リーグを2勝で突破した8名で争われました。








約2時間が経過し、いよいよ決勝戦となりました。
決勝戦に進出したのは、小針君と石原君。
中学2年生同士の対決です。
小針君と石原君は小学生時代からずっとライバル。
6年生時は石原君が公文杯小学生将棋名人戦の代表、小針君は倉敷王将戦高学年の部の代表でした。
今回も優勝候補の2名が順当に決勝まで勝ち上がってきました。


左:石原君 / 右:小針君
また並行して三位決定戦も行われました。
3位決定戦は、前島君(中2)と池本君(中1)の対局です。


左:前島君 / 右:池本君
すでに他の部は全対局が終了し、皆さんそれぞれが閉会式までの時間を過ごされていました。






最後の対局だけに、決勝戦、三位決定戦共に大激戦。
対局席周辺にはギャラリーが集まり勝負の行方を見守ります。




大熱戦にギャラリーが集まる
対局開始から50分ほどが経過し、共に決着がつきました。
決勝戦は石原君が小針君に勝ち、三位決定戦は前島君が池本君に勝利しました。


感想戦
優勝した石原君は、2年前の公文杯小学生将棋名人戦以来の県代表となりました。
いつも冷静沈着で落ち着いており、棋力は全国でも十分通用するレベル。
8月の全国大会での活躍も楽しみです。


残念ながら2位となった小針君。
アマ竜王戦茨城県大会では2年連続で三位に入った実力者で、常に上位に進出している安定感があります。
あと一歩で代表の座には届きませんでしたが、この数年の伸びは県内中学生でもトップクラス。
今後の活躍を楽しみにしています。


三位決定戦を制した前島君、四位の池本君もよく頑張りました。
茨城県では、石原君と小針君が抜けている印象ですが、彼らに追いつき、さらに追い越すぐらいの勢いでまた頑張ってほしいと思います。




中学生男子の部の結果は下記の通りです。
- 優勝 石原 成流(2年・つくば市)
- 2位 小針 智(2年・つくば市)
- 3位 前島 竜成(2年・阿見町)
- 4位 池本 柳之介(1年・ひたちなか市)
石原君と加古さんは8月に天童で行われる全国中学生選抜将棋選手権大会に出場します。
将棋だけでなく、全国各地の中学生と共にたくさんの良き思い出を作ってほしいと思います。
表彰式・閉会


対局も終盤に差し掛かるところで、会場の後片付けも始まりました。
茨城常南支部主催の大会では、保護者や選手が率先して片付けを手伝ってくれます。


たくさんの保護者や選手が手伝ってくれている






ものの10分もすると会場の9割の机・椅子が片付けられました。
また最後の床のモップがけまで保護者の方がやっていただきました。





後片付けになると皆さん率先して手伝ってくれます。
参加者全員でいい将棋大会を作ろうという雰囲気が感じられます。
片付けが終わる頃には中学生の部の感想戦も終わり、表彰式が行われました。
本大会を主催した茨城常南支部では、参加した子供達全員に順位をつけて表彰状を配っています。
本日も全参加者61名全員に表彰状が贈られ、その健闘を称えました。
各部門A級2位までの表彰の様子を紹介します。
















小学生高学年の部と中学生男子の部は記念写真も撮りました。


左から伊藤君(3位)、中村君(優勝)、高森君(2位)


左から小針君(2位)、石原君(優勝)、前島君(3位)
閉会時には大会を観戦されていた元プロ棋士の永作先生より大会の講評をいただきました。


最後に、残っていた全員でジャンケン大会を実施し、会場は大いに盛り上がりました。
このジャンケン大会には6年生の三谷君が勝ち残りました。
三谷君には美馬支部長の著作「筋違い角のすべて」が贈られました。




ジャンケン大会を終え、閉会となりました。
最後に残りの後片付けと撤収作業を行います。


会場を綺麗に片付け、16時40分頃に我々も後にしました。


あとがき


昨年に引き続き、倉敷王将戦・中学選抜選手権の茨城県大会を取材し、記事を書かせていただきました。


最終的にはC級、小学生低学年A、小学生低学年B、小学生高学年A、小学生高学年B、中学女子、中学男子A、中学男子Bと8部門に分かれた大会運営でしたが、特にトラブルもなく盛況に終えることができました。
本大会では参加者全員に順位をつけるまで将棋を指し、最低でも一人4局、最高でも7局を指すことができました。
C級の初心者・初級者部門から有段者中心のA級まで幅広い層が一日将棋を楽しめたように思います。
本大会を振り返り、良かった点を下記記載します。
- 中学生男子、中学生女子、小学生高学年、小学生低学年、交流戦の部と5部門に分かれており、最終は8部門に分けれる大会方式。棋力に応じて多くの子供たちが参加しやすいカテゴリーを作っていた。
- 中学生男子・高学年の部・低学年の部は、予選対局とトーナメント戦を用意しており、予選対局敗退者もB級トーナメントに参加できた。
- トーナメント戦では全順位を確定させる対局を行い、一人最低でも4局、最大6局の対局ができた。
- 参加者全ての選手に表彰状が授与された。
- 要所要所で棋譜を採譜しており、一部は茨城新聞に掲載される。
- C級以外は、「持ち時間20分、切れたら30秒未満」の対局時計を設置し、実力が発揮しやすい。
- 会場内の出入りが自由なので、保護者も観戦が可能。
- 会場内は十分な椅子が用意されており、保護者もゆっくり休めることができる。
- 大会結果がすぐに茨城支部連合会のHPに掲載される。
大会結果は茨城県支部連合会のHPでも掲載されています。
今回は、茨城県取手市で開催された全国小学生倉敷王将戦・全国中学生将棋選手権大会の茨城県大会の模様を記事にしました。この記事がみなさまの参考になったり、良き思い出になれば幸いです。


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