2011年11月、長男君が初めての将棋大会に参加しました。
初めての将棋大会は、「JT将棋日本シリーズこども大会」(今のテーブルマークこども大会)です。
この記事では、将棋大会に参加するきっかけとなったブログや初めて参加した将棋大会の感想を書いていきます。

- 長男(大学1年)と次男(中3)を持つ親将(親将歴13年)
- 日本将棋連盟茨城常南支部役員 広報部長
- 千駄ヶ谷連盟道場初段、将棋ウォーズ二段
- 2022年11月から「こども将棋情報室」のサイトを運営
きっかけの親将ブログ
2011年夏から南守谷将棋センター子供教室に通うようになり数ヶ月。
この頃になると普通に将棋を指せるようになり、長男君も対人の対局に慣れた頃でした。
当時は将棋情報としてネット上の親将ブログをよく読んでいたのですが、その中のブログとして一番面白く拝見していたのが、下記のブログ。
2008年から2011年までブログ記事を書かれていた二人のお子さん(あゆさん、たい君)を持つ親将さんのブログです。
柏将棋センターでの日々の将棋ライフを綴られており、お子さん達の棋力が長男君より少し上ぐらいで、この時期としてはとてもとても参考になるブログでした。
その中で、JT将棋日本シリーズに二人のお子さんが参加したことを記事にされており、同じ大会に出してあげたいと思っていました。
その時の記事が下記になります。
2008年JT将棋日本シリーズこども東京大会 | こどもと将棋をしよう!@柏
2010年JT東京大会 | こどもと将棋をしよう!@柏
特に2010年大会の記事を読むと、なんと子供の参加者が3000人以上とのこと。
このようなビッグな将棋イベントにぜひ参加したい!参加させたい!
そんな思いでJT将棋日本シリーズこども大会に申し込みました。
初めての将棋大会
親子二人だけの参加
この記事を読まれている親将さんは初めてお子さんを将棋大会に連れて行ったことを覚えていますでしょうか。
私の場合は14年も前になりますが、なかなか緊張していたことははっきり覚えています。
「ちゃんと将棋が指せるだろうか」、「ボコボコにされるのではないだろうか」、そもそもまだ年長なので、「トイレは大丈夫か」や「迷子にならないか」など心配がつきません。
この時は知り合い(親将さんや他の子供さん)も皆無で、私と長男君の二人だけの参加でした。
現地で誰かと会話することもなかったです。(寂しい)
慣れている人と一緒に行くことができれば心強いのですが、初めての時は多くの親将さんも同じようなものだと思います。
しかし、親将としての初めての将棋大会が数千人規模が参加するJT将棋日本シリーズだったとは。
普通は地方の小さな子供将棋大会からスタートするようなものかと思いますが、長男君の場合はちょうど将棋を始めた時期とこの大会の時期が重なりました。
国内最大のこども将棋大会
2011年のJT将棋日本シリーズは、東京ビッグサイトで開催されました。
電車を4本乗り継いで、ゆりかもめの東京ビッグサイト駅で下車。

東京ビッグサイトの中に入り、大会会場前ではすでに多くの親子連れが入場を待って並んでいました。
それこそ100m以上はあろうかという長蛇の列に並びながら、入場を待ちます。
今でこそ受付は会場内ですが、当時は会場の外で受付を行っていました。
並んでいる子供達を見渡すと将棋大会への参加とあって、みんな強そう。
特に眼鏡をかけているお子さんは将棋をたくさんやってそうで、より強く見えます。
会場内はそれこそたくさんの人だかりで3,000人近くの子供達と付き添う親御さん達で大盛況でした。
入口には豊川孝弘七段(現)や上田初美女流四段(現)が気軽に写真撮影に応じており、お二人共に長男君と写真を撮らせていただきました。
私自身人生で初めてプロ棋士と会話したのがこの時だったかと思います。

とりあえず2人分の座席は確保できました。
私自身も長男君も初めての将棋大会。
大会の進行やルールは事前によく読んで、長男君とも確認はしていましたが、まだ幼稚園児の長男君には心配がつきません。
長男君が対局席についても、つきっきりで様子を見ていました。
予選ブロック対局
長男君が対局席に着いてしばらくすると、初戦の対局相手が真向かいの席に座りました。
初戦の相手は、体が大きく(おそらく三年生)、さらに眼鏡をかけており強そうでした。
ただ性格の良さそうな子で開会式までの待ち時間に長男君に話しかけたりしてくれて、長男君もニコニコしながら相手の話を聞いていました。

開会式では田中寅彦九段(現)の挨拶から始まり参加棋士の紹介もありました。
先ほどの豊川孝弘七段や上田初美女流四段などの参加棋士やアシスタントの奨励会三段の方々も紹介されていました。
開会式が終わり、いよいよ予選ブロックの一回戦。
「はじめ!」の号令と太鼓の音で一斉にブロック対局が始まりました。
長男君の対局席が一番外側だったので、盤面をはっきりと見ることができます。
居玉棒銀でとにかくガンガン攻める長男君。
やはり棒銀は破壊力があり、敵陣に飛車を成り込み、居玉の相手を右側から圧迫していきます。
対局開始ものの5分ほどで終局し、一方的に攻めた長男君が大会初対局にして初勝利を挙げることができました。
負ければ大泣きすることも想定していたので、初戦の勝ちは大きかったです。
対局が終われば対局相手と手を挙げて、勝敗のスタンプをスタッフから押してもらいます。
そして二人で受付まで移動し、次の対局席がかかれた番号票をもらいました。
不慣れな長男君でしたが、相手の子が先に手を挙げてくれたり、駒の片付けや受付までの移動などを率先してやってくれたので、長男君はそれに習うだけで助かりました。
二局目です。
一局目の勝った者同士、負けた者同士が対局を行います。
予選ブロックの3局はずっとこの形式でいくので、勝ち進めば進むほど強い子と当たることになります。
長男君、二局目も同じようにガンガン攻めて勝つことができました。
棒銀はなかなか慣れていないと止めるのが難しいですね。
長男君の隣では、15分経過しても対局が終わらず、3分切れ負けの時計が入っていました。
見ると四間飛車と居飛車の対抗形で持久戦模様でした。
低学年からお互いが対抗形の持久戦を繰り広げ、序中盤から長考している姿を見て、強い子がいるもんだなぁと感心させられました。
三局目です。
相手も長男君も2連勝同士。
長男君の場合は棒銀でガンガン攻めてそのまま勝ち切るというスタイルでしたが、三局目は相手も同じように棒銀でガンガン攻めてくるタイプ。
相手の方が一枚上手だったようで、相手の攻めが早く長男君は三戦目で敗退となりました。
まだ将棋を始めて数ヶ月の長男君にとっては2勝1敗は望外な成績だったように思います。

後で調べてみると2011年東京大会の参加者は2,911名でした。
2024年大会の参加者が1,618名だったので、当時は今よりも2倍近い参加者がいました。
おそらく上位のレベルは変わらないかと思いますが、初心者から初級者の参加者は今よりもずっと多かったように思います。
その分少し将棋に慣れている子は予選ブロックでは勝ちやすい傾向にあったように思います。
実際長男君の初戦の相手と二戦目の相手は駒の持ち方が不慣れのように見えて、まだ初心者だったようです。
自由対局
2勝1敗で予選ブロック敗退となりましたが、将棋自体は楽しかったようでご機嫌の長男君。
昼食は会場外のレストランで取り、午後は自由対局に参加しました。
自由対局は、スタッフの方が空いている子同士をマッチングさせて対局するシステムで、対局数や勝ち数によって将棋駒の消しゴムがもらえます。
子供達にとってはこの駒消しゴムを集めるのが楽しく、とにかくたくさんの将棋を指そう!とモチベーションを上げてくれるシステムになっています。
このやり方は2024年大会でも変わらず採用されており、予選で敗退したとしてもまだまだ将棋を楽しむことができる見事なシステムだと思います。
さて長男君ですが、自由対局場に入り、次から次へと将棋を指して、最終的には自由対局だけで10局、トータル6勝4敗の成績でした。
長男君の様子を遠目で眺めていましたが、純粋に将棋を指しており、受付で並んでいる時も対局者と仲良く話をしたりして、楽しそうにしていました。

ある程度強くなってくると勝ち負けがよりシビアになってくるのですが、この時期は勝ち負け関係なく将棋を純粋に楽しんでいるようでした。
ニコニコしながら将棋を自由に指している長男君が今でも印象に残っています。


自由対局場は高学年・低学年関係なく将棋を指すので、当時の長男君の棋力でいくと参加者全体の真ん中あたりだったように思います。
この頃はもう初心者ではなく、初級者のレベルだったかもしれません。
盛り上がる自由対局場ですが、端の方の一角では決勝トーナメントの対局場があり、こちらもたくさんの親御さんが観戦されており熱気に包まれておりました。
自由対局場から決勝トーナメントの対局場が見えましたが、当時は別世界のような感覚で、いつか息子があの場で対局できたらなぁと思ったものでした。
自由対局の時間が終わり、JT日本将棋シリーズで対局する棋士の紹介がありました。
この日の対局者は羽生善治現九段と渡辺明現九段。
今でこそ藤井七冠がトップですが、当時のトップ棋士はこの二人。
まさにゴールデンカードです。
個人的には子供大会の決勝やプロの対局まで観戦したかったのですが、長男君がお疲れだったので、今回はここで会場を後にしました。
おそらく16時頃だったように思います。
あとがき

2011年11月20日に開催されたJT日本将棋シリーズこども大会。
長男君にとって、親将の私にとって初めて参加した将棋大会を無事終えることができました。
予選ブロック3局、自由対局10局の計13局も将棋が指せたこと、またプロ棋士の方々を間近で見れたことなど初めてのことばかりでしたが、一日充実した大会でした。
長男君にとっても初めての将棋大会でたくさんの知らない子供達と将棋を指せたことは自信にもなったように思いますし、今後将棋大会に参加する上で親子共々いい経験になりました。
こうして初めての将棋大会に参加した長男君でしたが、さらなる棋力UPに向けて家や外で将棋に取り組んでいくことになります。
次回の記事では初心者から初級者に向けて取り組んだことを紹介していきます。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
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