親将録(長男初心者編⑥)初心者から初級者へ

2011年夏より将棋を始め、11月にはJT将棋日本シリーズこども大会に参加した長男君。
低学年の部の予選ブロックで2勝できたので、もう「初心者」から「初級者」の部類に入っているようにも思います。

今回の記事では初心者だった長男君が初級者になるまでにやってきたことを記事にして紹介します。

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ダイス
  • 長男(大学1年)と次男(中3)を持つ親将(親将歴13年)
  • 日本将棋連盟茨城常南支部役員 広報部長
  • 千駄ヶ谷連盟道場初段、将棋ウォーズ二段
  • 2022年11月から「こども将棋情報室」のサイトを運営
目次

初級者の定義

長男君が「初心者」から「初級者」になるまでにどのような事をやったのか。
それを書く前に、どれくらいの状態になれば「初級者」なのかを私なりの考えを述べたいと思います。

早速ですが、私が考える「初級者」とは、下記の2つができるようになった状態と考えます。

初級者の状態
  • 一手詰めがノータイムで解ける
  • 棒銀ができる

一手詰め

一手詰めは一見簡単なようですが、駒の動かし方やルールを覚えたばかりの初心者ではなかなか解けません。
これは対局数を重ねたり、一手詰めの詰将棋本をたくさん解く事で身についていくものです。

先日南守谷将棋センターのこども教室を見学したのですが、将棋を始めたばかりの子供さんは最後の詰み(一手詰め)がなかなか発見できず、相手玉を詰ますまで時間がかかるケースが多かったです。

ただし、少し級が上の方のお子さんですと終盤の詰みはすぐに見えるようです。
一手詰めがすぐに見えると、次の三手詰めの発見も早い。
詰将棋力は、棋力と大きく関わってきます。

よって、一手詰めができるのは「初心者」から「初級者」に上がるための第一歩と言えるでしょう。

棒銀戦法

将棋で相手を攻めていく上で一番基本になる戦法が「棒銀」(棒銀戦法)です。
棒銀戦法とは、飛車の前に銀を繰り出し、相手陣を破っていく戦法です。

前回の記事でJT将棋日本シリーズのこども大会に参加し、予選ブロックで2勝したことを書きましたが、低学年の部では棒銀を知っているだけで1勝以上はできるように思います。

実際年長の長男君も棒銀戦法だけで2勝することができました。
棒銀戦法は少しコツを掴むとすぐにできるようになります。
以前の記事でも紹介しましたが、山口女流三段のYOUTUBE動画がわかりやすいので、下記に動画を紹介します。

ダイス

棒銀ができるだけで、かなり勝率が上がると思います。
もう初心者卒業ですね。

「一手詰め」と「棒銀」ができれば、もう初級者です。
連盟道場の級位でいくと、11~14級辺りが「初級者」になるかと思います。

詰将棋

詰将棋は間違いない

将棋は玉をどちらが先に詰ますことができるかのゲームです。
詰み筋が見えれば、その時点で勝ちを掴むことができます。

その詰みの力を鍛える勉強法が詰将棋です。

詰将棋をやっているとその詰み筋を短時間で発見する力が養われます。
また相手がどこに逃げるのかも考えるようになるため、自分の手だけでなく相手の手を考える力もついてきます。

実際プロ棋士の多くが普段から詰将棋に取り組んでいますし、詰将棋は初心者からプロ棋士まで有効な将棋練習法です。

特に初心者が詰将棋に取り組むと、かなりのスピードで強くなるのは間違いないです。

ダイス

詰将棋力=終盤力。
詰将棋を解いていくことで終盤力が強くなります。

詰将棋本

長男君が最初に手にした詰将棋本は、「羽生の一手詰め」。
この本は問題数自体は81問と少ないのですが、一問一ページと問題が大きくて見やすく、年長の長男にとっても読みやすいのではないかと思って買いました。

一手詰めの基本中の基本が掲載されており、問題も簡単なので、少しやるだけでどんどん解けるようになります。
一ヶ月もあれば十分1手詰めはマスターできるかと思います。

監修:羽生善治, 読み手:羽生善治
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「羽生の一手詰め」がスラスラ解けるようになった時点で、次は三手詰めに挑戦。
同じくシリーズの「羽生の三手詰め」、その後に「1・3・5手詰将棋」をやりました。

監修:羽生善治
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著:飯野 健二
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「1・3・5手詰将棋」は実戦形式で、一手詰めが80問、三手詰めが84問、5手詰めが110問と計274問が掲載されており、なかなかお得な詰将棋本かと思います。
実戦形式なので、実践で出現しやすい形が多く、この本も棋力向上に大いに役立ちしました。

ちなみに後から将棋を始めた次男君は、上記本に加え、「3手詰めハンドブックI・II」、「3手詰将棋」もやっており、初心者の頃に詰将棋はたくさんやっていたように記憶しています。

著:浦野 真彦
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初心者詰将棋本
初心者から初級者の間に解いた詰将棋本
終盤力の強化に大いに役立った

盤上で解く

詰将棋ですが、長男君にはそのまま本を渡して解かせるのではなく、一問一問盤の上に駒を並べて、解いてもらうようにしていました。
長男君とは盤上に向かい合い、私の側からは本を逆さにして並べるような形です。

長男君からすれば、実戦の終盤をやっているような感覚で詰将棋を解くようなもので、私は毎回玉を詰まされます。
その度に「負けました」と言って、長男君に勝ちの喜びを与えながら、解かしていきました。

一日大体30分~1時間ほど。
このやり方は詰将棋だけでなく、次の一手問題や寄せの手筋なんかにも使えますし、長男君と将棋に取り組むことで、私の終盤力も強くなったように思います。

次男君にも同じようにして詰将棋に取り組み、7手詰めぐらいまでは一緒にやっていたように思います。

次男詰将棋
詰将棋を解く次男君
私が詰将棋本を見ながら駒を並べてあげた

対局

詰将棋と同様に取り組んだのが、実戦です。
とにかく実戦を数多くこなすこと。
当たり前ですが、対局数が多ければ多いほど強くなります。

南守谷将棋センターのこども教室で対局はできたものの、土曜日午前中の2時間程度。
週に2時間だけではなかなか強くはなりません。

そこで始めたのはネット対局と将棋教室以外のリアル対局でした。

ネット対局

長男 将棋倶楽部24
将棋倶楽部24で対局相手を探す長男君
2012年2月

2011年当時はまだ「将棋ウォーズ」もなく、ネット対局はパソコン上でやるのが一般的でした。
そこで長男君にやらせたのが「将棋倶楽部24」。

「将棋倶楽部24」は今でもたくさんの方がやられているかと思いますが、当時から主流の将棋アプリで、インターネット上では多くの方が参加していました。

始めたばかりの長男君はレートが二桁で、同じくらいの棋力の方は少なかったですが、それでもいい練習になりましたし、やっている内にレートも上がってきました。

将棋倶楽部24は私がいなくても自由にできるので、幼稚園から帰宅した長男君に嫁さんがログインを手伝い、平日は毎日5局以上は将棋をやっていました。

当時の私は連盟道場(千駄ヶ谷)で3級でしたが、帰宅後に長男君の棋譜を見ながらあれこれアドバイスもしていました。
この棋譜を見るのがなかなか楽しく、帰宅してからの私の日課になっていました。

ダイス

子供達と将棋を取り組んだ日々がなつかしいですね。

リアル対局

ネット対局の他にも家でリアル対局をやっていました。
嫁さんも将棋初心者だったので、長男君のいい相手になります。
初めは勝ったり負けたりで、数ヶ月はいい勝負ができていました。

また私とも10枚落ち、8枚落ちなどで対局し、極力長男君に勝たせるようにしていました。
その内本気でやっても8枚落ちで勝てなくなります。
10枚落ちから8枚落ち、6枚落ち、4枚落ちと私の落とす駒を減らしながら、常に長男君が有利なハンデで対局をするようにしていました。

ダイス

次男君とも同じようにやっていました。
長男君にも次男君にも駒落ち戦で相当負けたと思います。

2011年末までは、詰将棋、南守谷将棋センターこども教室、家族間での対局をこなしていました。
その中で棋力が上がっていく長男君。
少しずつネット将棋のレーティングが上がり、またこども教室でも勝ち星が増えてきました。

道場へ

詰将棋や対局を通して、一手詰め、棒銀戦法は難なくできるようになりました。
JT将棋日本シリーズの結果やこども教室での勝敗を見ても、すでに「初級者」のレベルに到達したように思います。

長男君がニコニコしながら将棋を指す姿を見て、「もっと将棋をやらせたい!強くさせたい!」との欲求が私の中で出てきました。

より早く強くさせるにはとにかく対局数を増やし、たくさんの人と将棋を指すことです。

私は長男君が将棋を覚える前に、新宿、柏、御徒町、千駄ヶ谷の道場で将棋を指したことがありました。

新宿、柏、御徒町は大人が多くてレベルが高い。
とても初心者の長男君が将棋を指せる場所ではありません。

千駄ヶ谷の連盟道場。
ここは先ほどの3つの道場と違い、子供の数が多く、また15級の初心者から有段者までいるので長男君でも将棋を指すことができそうでした。
また私も3級だったので、私自身も有段者を目指して一緒に将棋を指すことができます。

そんな思いで長男君を千駄ヶ谷の連盟道場に連れて行ったのは2012年の1月8日でした。
初めての千駄ヶ谷連盟道場についてはまた次の記事にします。

ここまで読んでいいただき、ありがとうございました。

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