2023年11月19日に開催されたテーブルマークこども大会/関東大会を観戦しました。
私自身、2011年の関東大会に長男がこの大会に参加して以来今回で12回目となります。
今回も親将の目線で大会を観戦してきました。
今後参加される方々の参考になればと思います。
- テーブルマークこども大会/関東大会の概要
- テーブルマークこども大会/関東大会の様子
- 長男(高3)と次男(中2)を持つ親将(親将歴12年)
- 日本将棋連盟茨城常南支部役員 広報部長
- 千駄ヶ谷連盟道場初段、将棋ウォーズ二段
- 2022年11月から「こども将棋情報室」のサイトを運営
本記事で使用している写真に写る一般の人物については基本モザイク処理をしていますが、一部許可をいただいたお子さんについてはそのまま掲載させていただいています。
会場入りまで
出発(東京ビッグサイトまで)
2023年11月19日(日)、この日の関東は晴天に恵まれ、絶好のお出かけ日和でした。
昨年までの海浜幕張は、乗り換え一回で現地まで行くことができましたが、東京ビッグサイト駅までは交通の便が悪く、最短で行くとなると乗り換えが三回。
なかなかの移動距離です。
昨年同様ISさん一家と車内で待ち合わせ。
ISさんご夫婦と息子さん、娘さん、一緒に来たIN君と合流し、6人で東京ビッグサイトを目指しました。
新御徒町⇒月島⇒豊洲で3回電車を乗り換えます。
豊洲駅まで来ると、関東大会に参加するだろう親子連れがちらほら見られます。
現地のコンビニが混雑することも予想されたため、豊洲駅内のファミリーマートで昼食を調達しました。
本日4本目の電車、ゆりかもめに乗ります。
ゆりかもめは東京の湾岸線を走ります。
前方が全面ガラス張りになっているので、とても見晴らしがいいですね。
天気がいいこともあって、絶景でした。
東京に来た!そんな気分になります。
東京ビッグサイト駅の近くまで来ると、会場が見えてきます。
東京ビッグサイトのメイン会場は、壮大な建物で遠くからでも目立ちますね。
入場
会場は東京ビッグサイトの東展示場1~3にあります。
正面入り口から200mほど歩いたところです。
東展示場に行くまでの所どころにテーブルマークこども大会の運営スタッフが案内をされていました。
会場に入ってから知り合いの親将さん2組にお会いしました。
埼玉北部から来られた親御さんは6時過ぎに家を出たとのこと。
知り合いの方は前泊されている方もいらっしゃるとのことでした。
同じ茨城県で県央から来られた親御さんは、朝5時20分の始発で来られたとか。
常磐線の向かい合わせの座席に家族四人対面で座り、車内から見る星空が綺麗で、5年生R君の話だと、その光景はまるで「銀河鉄道の夜」のようだったとか。
会場に着くまでにもそれぞれ家族ドラマがありますね。
東展示場には9時5分頃に到着しました。
まずは会場に入る前に手荷物検査があります。
手荷物検査を終えて、会場入りです。
会場は東展示場の1~3ホールを使用していて、従来よりもかなり広く感じました。
会場が広いため、保護者席や対局席などの座席数に十分な余裕がありました。
受付から開会式まで
受付から席の確保まで
会場に入るとまずは受付です。
スタッフ案内係が受付場所を案内してくれます。
受付ブースは全部で23箇所。
1000人以上の子供達が参加しますが、23箇所もの受付ブースで円滑に受付処理を行います。
おかげでほとんど待つこともなく、5分ほどで受付を終えることができました。
受付は開会式10時直前まで続いていました。
10時直前だと開会式がすぐに始まるため、あわただしくなります。
9時半までには受付を終えている方が無難です。
- ストラップ(参加証を首からかけるために必要)
- 同伴証(保護者用)
- 座席票
- 試供品の国産こしひかり
- 封じ手予想クイズ応募用紙
- クイズラリー用紙
- シール他パンフレット
受付時に、名前と対局席番号が書かれた座席票をもらいます。
私の息子が一度座席票を失くしたことがありましたが、事務局に行けばすぐに再発行は可能です。
受付を終えると、受付場の横でプロ棋士との記念撮影が行えるブースがあります。
佐藤康光九段、安食女流二段、飯野女流初段が参加者との記念撮影に応じられていました。
プロ棋士との記念撮影は30分ほどです。
長い列ができているので、記念撮影を行いたい方は早めに並びましょう。
受付を終えれば、まずは座席を確保しましょう。
おススメは壇上近くの座席ですが、今年から中央から後方にかけて10台以上のモニターが設置されているので、その前でもいいかもしれません。
本大会よりモニターが設置されました。
モニター越しに壇上の雰囲気がよく伝わってきます。
私達は比較的壇上に近い座席を確保しました。
写真も撮りやすく、大盤も見えるので観戦しやすい場所でした。
9時20分頃でしたが、まだまだこの辺りの席には余裕がありました。
会場内を散策
座席を確保できたので、会場内を散策です。
壇上には、JT杯とテーブルマーク杯が飾られていました。
中央がJT杯、その左右がテーブルマーク杯になります。
この賜杯を持つものは誰か、今夜には決まっています。
壇上です。
テーブルマーク関東大会の決勝戦とJT杯の決勝戦がこちらで行われます。
キッチンカーも3台来ていました。
開会式の前にテーブルマークのクイズラリーをやっている親子連れやお子さんもおられました。
テーブルマークのブースにもたくさんの人が集まっていました。
日本将棋連盟や千葉県農林水産部の販売コーナーにも人だかりができています。
会場内にはテーブルマークこども大会の巨大バルーンもあり、この前で記念撮影をされているご家族もいました。
対局場所の確認
座席を確保した後にお子さんと必ずやってほしいのが対局場所の確認です。
対局番号にはローマ字が入っていることもあるため、お子さんによっては一人で対局場所を見つけられないケースもあります。
対局場のあちこちで保護者の方と対局席を確認されるお子さんが見られました。
チェスクロックの指導会
テーブルマークこども大会は、ブロック対局や決勝トーナメントでチェスクロック(対局時計)が入る場合があります。
開会式の前にチェスクロックの操作に慣れていないお子さんのために、その説明会を実施しています。
現役の奨励会員が易しく丁寧にチェスクロックの使用方法を教えており、お子さんやその親御さんが熱心に使用方法を確認されていました。
慣れていないお子さんは、開会式の前にチェスクロックの使い方を覚えておきましょう。
開会式を待つ
開会式30分ほど前から対局場には、待機するお子さん、我が子の対局姿を近くで見ようと観戦場所を確保する親御さんで人が集まってきます。
お子さんは棋書を読んだりタブレットで将棋ゲームをしたり、友達と談笑したり様々です。
開会式
10時5分より開会式が始まりました。
始めに羽生会長のご挨拶です。
- たくさんの方にご参加いただき、ありがとうございます。
- 国内最大規模の将棋大会で、全国各地11か所で開催されている。
- 広い会場でたくさんのお子さんが将棋を指す光景は壮観。
- 私自身も小学生の頃に将棋大会にたくさん参加したが、このような場所で将棋を指したり、話をしたのは勉強にもなったし、いい思い出にもなっている。
- 将棋は礼に始まり、礼に終わる。元気よく「お願いします。」、終わった後には「ありがとうございました。」ときちんと挨拶してほしいと思う。
- 将棋は自分自身のアイデア・発想を発揮できる場所なので、個性・オリジナリティを出して自由に将棋を指してほしい。
- 皆様にとってよい一日になってほしいと思う。
続いて、テーブルマーク㈱吉岡社長のご挨拶です。
- たくさんの方にご参加いただいたこと、まことにありがとうございます。
- まずは朝の挨拶を交わしたい。「おはようございます!」(会場から「おはようございます!」)
- 今日一日たくさんの友達とたくさん将棋を指せる絶好の機会。
- 一局一局、一手一手を大切に、対局する友達に感謝の気持ちを持って、楽しい一日にしよう。
- 保護者の方々もありがとうございます。昨年に比べはるかに多くの方にご参加いただいたこと、感謝申し上げる。皆さんにとって楽しい思い出になると幸い。
- JT日本シリーズの決勝もある。藤井JT杯覇者、糸谷八段の対局をご家族で観戦し、お子様の成長の一助になれば大変うれしく思う。
- テーブルマークは、冷凍食品、カップごはんなどを製造しているメーカー。後方のブースで商品を展示しているので、時間ある時にご覧になっていただければ。
- ロールケーキのご試食もできる。卵、乳製品と動物性たんぱく質を使用しておらず、アレルギーをお持ちの方でも安心して食べられるおいしいロールケーキになっている。
- 今日一日皆様が心豊かな一日になることをお祈り申し上げる。
吉岡社長が言われるように、一手一手、一局一局丁寧に指すことができましたでしょうか。勝敗よりも丁寧に指して実力を発揮する方が大事のように思います。
続いて、小池東京都知事からの祝電の披露。
- 今日はたくさんの友達との対局を通して、これまで練習してきたことを存分に発揮しましょう。
- 一日を思いきり楽しんでください。
- 保護者の皆様は大好きな将棋を真剣に楽しむお子様を温かく応援してください。
- 東京都は「こどもスマイルムーブメント」として子供達の笑顔を満開にし、社会全体を元気にしていく取り組みを進めている。今日もこの会場全体が笑顔でいっぱいになることを願っている。
- 今日の子供大会の思い出が子供達一人一人の未来を輝かせる、大切な宝物の一つになることを心より祈念する。
小池都知事が言われるように、会場は子供達の笑顔が満開になっていましたね。保護者の方々も温かく応援されていました。
最後に審判長を務める佐藤康光九段よりご挨拶がありました。
- 日本将棋連盟の大会ルールに則って運営をしていく。
- 問題があった場合は、速やかに手を挙げて係の人に話してほしい。対局終了後は、問題を受け付けられない。
- 「王手」は言っても言わなくてもどちらでもよい。
- 将棋は礼に始まり礼に終わるので、「お願いします。」「ありがとうございました。」としっかり挨拶をすること。
- 一日長丁場になるが、将棋を通して楽しい一日、また良い思い出の一日にしてほしい。
開会式は10分ほどで、次にルール説明に入ります。
ルールの説明
対局場近くの壇上にて、ルール説明がありました。
- ブロック対局は3戦行う。3勝した人がトーナメント戦に進む。3勝できなかった人が自由対局に進む。
- 始めに駒を並べる。並べ終わったら振り駒を年長者が行う。(同学年の場合はじゃんけんで決める。)
- 「はじめ」の合図で一礼して対局を始める。
- 対局後15分が経過すると、チェスクロックが入る。
- 対局が終了したら、手を挙げる。係員が来て、参加証に勝者、敗者の判が押される。
- 判が押されたら、対局者と受付に報告に行く。受付で次の席の番号票をもらう。
- 全対局が終了するまで休憩
- 反則があった場合はすぐに手を挙げること。2~3手進んだり、投了後の申告は一切認められない。
- 持ち駒を手で隠してはいけない。
ルール説明時は、子供達も保護者の方も真剣に話を聞かれていました。
ルール説明が終了し、いよいよブロック対局が始まります。
会場の雰囲気は緊張感でピンと張り詰めています。
子供達にとっても親御さんにとっても第一局目が一番緊張します。
午前の部
ブロック対局
10時25分にブロック対局が「はじめ!」の号令で一斉に始まりました。
公式発表によると関東大会に参加した子供達は1673名。
自由対局からの参加者もいるのですが、このブロック対局ではおそらく1500人くらいが一斉に対局を始めたと思います。
羽生会長が言われたように、1500人規模の一斉対局はまさに壮観。
応援される保護者の方々も熱心に観戦されており、会場は熱気に包まれておりました。
対局が15分で決着しない場合、3分切れ負けのチェスクロックが入ります。
低学年の部では、ブロック対局2回戦で強豪同士が激突して、決勝戦さながらの白熱した対局もありました。
対局が終わると手を挙げます。
係の方が来られ、参加証に勝ち負けをつけます。
勝ち負けをつけてもらえば、対局者同士で受付に行き、次の対局票をもらいます。
12時近くになると、決勝トーナメントをかけた3局目も終局に近づきます。
高学年の部では、すでに15分が経過して、チェスクロックの入った対局が繰り広げられていました。
12時10分頃にブロック対局全体局が終了しました。
予選のブロック対局から白熱した対局が繰り広げられていました。
決勝トーナメントに進出できるのは8人に一人だけ。
全国大会で活躍してきた強豪が敗れることもあり、運も大きいです。
親将さんの過ごし方
保護者の方はどのように過ごされていますか?
保護者の多くは対局場に集まり、子供さんの対局を観戦されていました。
開会式前から対局場の周りに集まり、運動会で場所取りのようなベストポジションを取っておられる方も多かったです。
他には、座席でのんびり待たれている方、他の親将さんと立ち話されている方など様々です。
また対局場脇で休憩されている保護者の方もおられました。
また、ブロック対局の空き時間を利用して、クイズラリーに参加される方、昼食をキッチンカーで買い物する方もおられました。
詰将棋クイズ
佐藤康光九段が出題する詰将棋クイズのイベントが2回に分けて開催されていました。
1回目はブロック対局2回戦の最中でしたが、多くの子供達や親御さんがこの詰将棋クイズに参加されていました。
試食会
12時前よりテーブルマーク商品の試食会が開催されました。
コロナ前は冷凍唐揚げなどを試食させていただきましたが、今回の試食会の復活も楽しみにしておりました。
今回の試食会はロールケーキ2種で、プレーンかチョコのどちらかが選べます。
試食会の案内が始まると、あっという間に試食会場は長い列に。
試食会場も用意されており、その場でロールケーキの試食ができるようになっていました。
5分ほど並んで受付に到着。
私はプレーンを選びました。
このテーブルマークさんのロールケーキですが、アレルゲンの「卵」・「乳」を使用しておらず、植物由来の原材料から作られているとのこと。
ケーキに卵、乳を使用せずに、おいしさが担保されるのか…。
実際に食べてみると、
「うまい!」
想像以上に美味しかったです。
なんら一般のロールケーキを変わらない。いやそれ以上か。
何人か試食された方に聞いてみましたが、みなさん同じような感想でした。
テーブルマークのロールケーキ、なかなかおススメです。
【プラントベース/卵・乳不使用】ロールケーキ2種 食べ比べセット – 食+(ショクタス)公式オンラインショップ (shoku-tasu.jp)
テレビの取材
会場ではテレビクルーも入っており、テレビの取材を受けている光景も見られました。
お子さんがテレビで映るのは一生の思い出になりますね。
午後の部(その1)
トーナメント戦①
スケジュールでは、12時よりトーナメント戦が予定されていましたが、午前のブロック対局が少し後ろに延びましたので、12時20分頃から決勝トーナメントの1回戦が始まりました。
1回戦から優勝するまでに7回戦が行われます。
よって、優勝するには10連勝が必要です。
テーブルマーク関東大会の名物/トーナメント表には、たくさんのギャラリーが集まります。
関東はもとより、地方からも何人か強豪が集まるので、トーナメント表を見ているだけでも飽きないです。
そして3回戦、4回戦と対局はどんどん進行していきます。
5回戦(ベスト8)になると会場の一角にギャラリーが集まり、熱心に子ども達の対局を観戦しています。
そして6回戦。
14時30分頃より、準決勝(ベスト4)の対局が始まりました。
勝った方が壇上の決勝戦に行くことができます。
準決勝の熱い対局は14時50分頃に終了し、決勝進出者と3位が決まりました。
3位決定戦はないので、準決勝で敗れた4人(高学年2人、低学年2人)が3位となります。
決勝戦に先立ち、対局場では3位に入られた4名の表彰式と記念撮影が行われました。
三位に入られた4名の方は、午前のブロック対局で3勝、午後の決勝トーナメントも5勝しており、とても立派な成績です。
壇上には上がれなかったかもしれませんが、レベルの高い関東大会でここまで勝ち進んできたことに拍手を送りたいです。
自由対局
午後の部では、敗退者のために将棋を楽しんでもらおうと自由対局が用意されています。
この自由対局は工夫されており、対局数と勝利数ごとにスタンプが押され、その数がたまると駒消しゴムがもらえる仕組みになっています。
たくさんの子供達が駒消しゴムを集めるために、自由対局に参加されていました。
また自由対局中でもたくさんの親御さんが子供達の対局姿を観戦されていました。
自由対局の勝敗ごとに受付に報告し、スタンプをもらいます。
ISさんのご兄妹が駒消しゴムを集めたとのことで、集めた駒の写真をいただきました。
またそのご兄妹が過去に集めた駒消しゴムはかなりの数になったようです。
駒消しゴムは思い出になりますね。
自由対局は、12時から14時半までの2時間半の間でしたが、大いに盛り上がっていました。
私も初めて参加した時には、息子が駒消しゴムをたくさん集めて喜んでいたのを覚えています。
自由対局はテーブルマークこども大会の中でも素晴らしいイベントの一つですね。
指導対局
午後の部では、指導対局も開催されています。
女流棋士の他に、現役の奨励会員や指導棋士の方々に指導を受けるというものです。
今回もたくさんの子供達が指導を受けていました。
指導をする側の先生方も笑顔で丁寧に指導されているのが印象的でした。
指導対局は、受付時にカードをもらい「当たり」が出れば受けることができます。
貴重な経験なので、ぜひ受けることをおススメします。
壇上イベント
壇上前の中央部は、一般来場者のための席が確保されています。
14時頃より一般来場者席が開放され、JTプロ公式戦の観戦者が来場されました。
14時30分頃より、JTプロ公式戦決勝の舞台で対局される藤井JT杯覇者と糸谷八段が壇上にて挨拶をされます。
会場はかなり広いのですが、各所にモニターが設置されており、こちらからでも壇上の様子を見ることができます。
挨拶の後は、両対局者は一旦控室に戻り、佐藤康光九段、安食女流二段、飯野女流初段のトークショーの始まりです。
佐藤康光九段が角換わりの戦型について大盤を使って解説されていました。
会場もたくさんの観戦者で一杯になっています。
舞台が整ってきたところで、いよいよこども大会決勝戦が始まります。
午後の部(その2)
決勝戦(低学年)
15時30分より、いよいよこども大会の決勝が始まります。
低学年の部は、3年生の北川君(千葉)と2年生の磯貝君(埼玉)の対局。
北川君は昨年の全国小学生倉敷王将戦の低学年の部で全国優勝を飾っている実力者。
落ち着いた将棋で安定感ある北川君に対し、勢いある磯貝君がどう挑んでいくのかに注目していました。
テーブルマーク関東大会は、広い会場で後方からでも壇上の様子をわかりやすく伝えるために、全部で13台のモニターが設置されていました。
NHK杯さながらのカメラアングルで映し出すモニターはとても見やすく、後方でもモニター前に人だかりができていました。
モニターの設置はありがたかったです。
後方からでも壇上の様子がわかり、とても見やすかったです。
対局は四間飛車と居飛車の対抗形でしたが、92手で北川君が勝利しました。
佐藤九段のポイント解説があり、低学年の部決勝は終了しました。
優勝した北川君は高学年の部に混ざっても遜色ない棋力を持っているので、今後の活躍が楽しみです。
磯貝君は2年生ながらの決勝進出は見事です。来年は更なる高見を目指して頑張ってほしいと思います。
母の誕生日
対局後のインタビューで、北川君が「明日、母の誕生日なので優勝をプレゼントできてうれしい」とコメントされました。
当日は11月19日でしたので、お母様の誕生は11月20日になります。
昨年2022年度のテーブルマーク関東大会は11月20日でした。
準決勝で敗れた北川君は大粒の涙を流しており、ひと目もはばからず号泣していました。
お母様の誕生日に「優勝」というプレゼントができなかったことも悔しさにあったのでしょう。
その北川君を抱きしめ、なぐさめていたお母様がとても印象に残っていました。
そのお母様に最高のプレゼントをされた北川君。
私はこのコメントを聞いて、昨年の準決勝後の出来事を思い出し、胸が熱くなりました。
決勝戦(高学年)
高学年の部は6年生の依田君(東京)と4年生の山野君(兵庫)の決勝戦となりました。
依田君の中飛車に山野君が二枚飛車で対抗。
中盤の攻防を制した山野君が一方的に攻め切るかと思われましたが、依田君の粘りが素晴らしく、裸同然の玉周りに金2枚、銀3枚を打ち込む徹底的な受け将棋を披露。
途中千日手もあるかと思われた局面もありましたが、山野君が打開し、攻め合いになりました。
最後は駒得した依田君が一気に攻めて、勝利しました。
30秒将棋の中、178手40分の激闘で、高学年らしいレベルの高い将棋でした。
依田君は実力者ながらレベルの高い東京都の中で隠れていましたが、今回その実力を証明してくれました。
この関東大会の高学年部門での優勝は見事です。
山野君も4年生ながら決勝進出は立派。兵庫から遠征されてきたと思うので、この結果を自信にして関西でも全国でも活躍してほしいと思います。
表彰式・最終結果
高学年決勝戦の後に表彰式が行われました。
表彰式では、羽生会長より表彰状と免状(低学年:初段、高学年:二段)が、吉岡社長よりテーブルマーク杯、扇子、バックごはん詰め合わせセットが授与されます。
何千人の観客に見守られての表彰式は一生の思い出になりますね。
関東大会の最終結果は下記の通りです。
大会 | 参加人数 | 低学年 | 高学年 |
---|---|---|---|
関東大会 (東京) 11/19(日) | 1673名 | 優勝:北川大樹(千葉3年) 準優勝:礒貝啓佑(埼玉2年) 三位:深田翔(東京3年) 三位:中村清之介(茨城3年) | 優勝:依田聡一朗(東京6年) 準優勝:山野卯嵩(兵庫4年) 三位:岩崎夏子(東京6年) 三位:萩原和希(富山5年) |
テーブルマークこども大会の全結果は下記の通りです。
※参照:2023年度テーブルマークこども大会(日程&結果)
大会 | 参加人数 | 低学年 | 高学年 |
---|---|---|---|
東北大会(仙台) 7/1(土) | 195名 | 優勝:鈴木道士(いわき2年) 準優勝:菅原 諒(東京3年) | 優勝:千葉 怜(青森5年) 準優勝:高橋桜子(登米6年) |
中国大会(岡山) 7/8(土) | 263名 | 優勝:松浦永真(岡山3年) 準優勝:安田清流(岐阜2年) | 優勝:高牟礼 楓(広島5年) 準優勝:髙野直哉(広島4年) |
静岡大会(静岡) 7/22(土) | 228名 | 優勝:佐々木和斉(豊橋3年) 準優勝:安藤隼斗(焼津2年) | 優勝:藤森舜太(さいたま6年) 準優勝:長野彪冴(焼津5年) |
福岡大会(福岡) 8/5(土) | 293名 | 優勝:上村真輝(合志2年) 準優勝:森下斗真(北九州3年) | 優勝:矢野稜真(福岡4年) 準優勝:川本泰輝(佐賀4年) |
信越・北陸大会(新潟) 8/19(日) | 125名 | 優勝:金子巧磨(長野3年) 準優勝:福田 湊(新潟3年) | 優勝:土田悠真(新潟5年) 準優勝:田村航基(京都4年) |
熊本大会(上益城郡) 9/9(土) | 224名 | 優勝:益田晴快(熊本3年) 準優勝:渡邉裕大(福岡3年) | 優勝:吉川拓斗(薩摩川内6年) 準優勝:信太晴鷹(福岡4年) |
四国大会(高松) 9/16(土) | 283名 | 優勝:渡辺慧士(兵庫3年) 準優勝:新名湊太(高松3年) | 優勝:松浦功真(岡山6年) 準優勝:北山 卓(兵庫4年) |
北海道大会(札幌) 9/23(土・祝) | 213名 | 優勝:山本雄心(東京3年) 準優勝:水谷 丞(札幌3年) | 優勝:堀 陽登(福岡4年) 準優勝:林 リンゴ(札幌6年) |
大阪大会(大阪) 10/21(土) | 813名 | 優勝:小林栄生(芦屋3年) 準優勝:鬼頭 慶(静岡2年) | 優勝:坂井政士郎(神戸6年) 準優勝:山下淳之介(豊中6年) |
東海大会(名古屋) 11/3(金・祝) | 691名 | 優勝:片桐周弥(岐阜3年) 準優勝:砂原詠心(兵庫3年) | 優勝:飯田啓吾(蟹江6年) 準優勝:鈴木蒼大(みよし5年) |
関東大会(東京) 11/19(日) | 1673名 | 優勝:北川大樹(船橋3年) 準優勝:礒貝啓佑(さいたま2年) | 優勝:依田聡一朗(調布6年) 準優勝:山野卯嵩(兵庫4年) |
今回の結果を見ると、遠征組の活躍が目立ちますね。
3位までに入らなければ他大会にも出場可能なので、どんどん参加してほしいです。
JT日本シリーズプロ公式戦
テーブルマークこども大会に参加するメリットの一つとして、こども大会終了後にJTプロ公式戦を生観戦ができます。
しかも関東大会は、JTプロ公式戦の決勝戦で、トーナメントを勝ち抜いてきた最強の二人の対局を見ることができます。
テーブルマークの表彰式を終えて、いよいよJTプロ公式戦の決勝戦が始まります。
注目は八大タイトル独占中の藤井聡太JT杯覇者。
その藤井JT杯覇者を相手にするのは糸谷八段。
糸谷八段はデビュー当時は「怪物」と言われ、その独創的な将棋は将棋ファンを魅了してきました。
過去には竜王のタイトルも獲られ、A級にも5期在籍されていた強豪です。
会場の照明が壇上のみとなり、両対局者が入場されました。
決勝戦のルールは、「持ち時間10分の一手30秒未満、1分単位で5回の考慮時間」です。
戦型は昨年の決勝同様に角換わりとなりました。
両対局者が真剣に盤に向き合う姿は絵になります。
対局者の脇では、解説の佐藤康光九段と聞き手の安食女流二段が一手一手説明してくれます。
こども大会決勝戦の時からそうでしたが、佐藤九段の解説と安食女流二段の聞き手の息がぴったりでとてもわかりやすい。
大舞台の中での大盤解説は緊張もあるかと思いますが、2人とも上手ですね。
会場の後方ではモニター前で観戦している方も多くいました。
途中封じ手予想クイズのインターバルが15分ほどありましたが、1時間半の激闘の末、藤井JT杯覇者が勝利し、連覇となりました。
15分ほどの感想戦を経て、藤井JT杯覇者の表彰式です。
藤井JT杯覇者にはJT杯、優勝賞金の500万円が授与されました。
藤井JT杯覇者と糸谷八段の対局は熱戦でした。
対局中のプロ棋士の振る舞いや戦術・駆け引きなど一局観戦するだけでも勉強になります。
余裕があれば子供達にもぜひ見てもらいたいですね。
閉会式から退場まで
閉会式・おたのしみ抽選会
JT杯決勝戦の表彰式の後におたのしみ抽選会を兼ねた閉会式がありました。
封じ手予想クイズの当選者発表、お楽しみ抽選会の当選者発表と続き、抽選会で当選された方は藤井JT杯覇者から直接賞品が手渡されます。
最後は藤井JT杯覇者からの閉会の挨拶があり、本大会は終了となりました。
藤井JT杯覇者のお見送り
テーブルマークこども大会の最後のイベントとして、JTプロ公式戦の勝者が来場者を見送るというイベントがあります。
昨年同様に藤井JT杯覇者の見送りとなります。
今話題の藤井JT杯覇者の直接のお見送りで、会場には大勢の方が最後まで残っておられました。(おそらく数千人規模)
藤井JT杯覇者の見送りは、まず見送りの必要のない方の退場、次に壇上前方側の退場、最後に後方側の退場と3つに分けて退場が行われました。
来場されていた方も整然と列にならび目立った混乱もなく、藤井JT杯覇者の見送りによる退場が行われました。
見送りに並ぶ列は相当長かったように思います。
私はほぼ最後に退場しましたが、退場開始から私が会場を出るまで40分ほどかかりました。
藤井JT杯覇者は熱戦の直後で疲れもあったかと思いますが、そんな疲れなど一切見せずに最後の一人まで温かく見送っていただきました。
子供達には藤井JT杯覇者の将棋の強さだけではなく、このような素晴らしい人間性も学んでほしいと思います。
私が退場する頃には会場はスタッフのみで、後片付けを開始されていました。
テーブルマークこども大会のスタッフさんはあともう少し仕事が残っています。
全来場者が会場を後にして、テーブルマークこども大会の会場はシャッターが閉まりました。
私が会場の外に出たのは20時頃。
外はすっかり夜になっており、今日一日の熱戦や楽しかった余韻に浸りながら東京ビッグサイトを後にしました。
メディア・ブログ・SNS紹介
テーブルマークこども大会関東大会は、様々なメディアで取り上げ、また個人のブログやSNSでもその模様が紹介されています。
私が見つけたメディアやブログ等で参考になるものをピックアップしたので紹介します。
メディア
メディア | リンク | 概要 |
---|---|---|
TBS NEWS DIG | https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/845432 | TBS NEWS DIGの記事です。YOUTUBEで動画も見れます。 |
読売オンライン | https://www.yomiuri.co.jp/igoshougi/20231119-SYT8T4754038/ | 読売オンラインの記事です。 |
ブログ
著者 | リンク | 概要 |
---|---|---|
コロッケ大好きわくわく丸 | https://ameblo.jp/katono0831/entry-12829399448.html | 二人のお子さんへの愛情と周りへの感謝があふれているブログです。 ブロック対局から自由対局、JT杯の流れなど親将さんにはぜひ見ていただきたい内容です。 |
tadaDVD | https://ameblo.jp/aaw68020/entry-12829427648.html | 長男さんがブロック対局から、長女さんが自由対局のみの参加。 それぞれの視点からの一日の過ごし方が書かれていました。 長女さんの「攻めだけしたよ」のコメントが微笑ましいです。 |
X(旧Twitter)
総じて皆さん楽しい一日を過ごされていますね。
このような場を提供するテーブルマーク様、日本将棋連盟様に感謝です。
2023年テーブルマークこども大会/関東大会 あとがき
テーブルマーク関東大会の観戦は今回で12回目。
息子が参加しなくなってからは2回目の観戦になります。
息子達が参加しないにも関わらず、ブロック対局や決勝トーナメントの緊張感は今回も痛いほど伝わってきました。
特に「はじめ!」の号令から始まるブロック対局の1回戦。
会場は張り詰めた空気感に包まれていました。
1回戦、2回戦、3回戦が終了するごとに、会場は笑いあり、涙あり。
お子さんの勝利を一緒に喜ぶ親御さん、落ち込んでいるお子さんを慰める親御さん、会場のあちこちでそれぞれのドラマがありました。
私も予選のブロック対局から最後の決勝戦まで観戦し、子供達の対局に臨む姿、真剣な表情を見て大いに感動しました。
また自由対局や試食会、クイズラリー、詰将棋クイズなどのイベントも見学し、多くの子供達や親御さんの楽しそうな姿を見て、トーナメントにはいかずとも本大会を楽しんでいることを嬉しく思いました。
勝っても負けても、お子さんにとっても親御さんにとっても、11月19日は貴重な一日、思い出になったかと思います。
将棋を真剣に取り組んでいるお子さんは、この大会を糧にさらなる研鑽を積んでほしいと思います。
またそうでないお子さんもこの大会を通じて将棋が楽しいと思ってくれれば十分ですし、なによりこの大会に参加してよかった、思い出になったと思ってくれれば嬉しいです。
コロナの影響から、3年前は大会中止、昨年と一昨年は大会参加者が大幅に減少してしまいました。
しかしながら、コロナ明けの今大会は昨年よりも400名ほど参加者が増えており、また恒例行事だったテーブルマーク商品の試食会が復活したり、対局席もスペースを取らずに設置したりとコロナ前の環境に戻りつつあります。
また前のように3000人規模の将棋大会に戻ってほしい。
当時はギネス記録をテーブルマーク関東大会が塗り替えていました。
私もその一助となれるようにこども将棋の情報発信を通して貢献できればと思います。
最後に、長年に渡り本大会を開催されているテーブルマーク様と将棋連盟様には感謝しかありません。
将棋大会はどうしても上級者、有段者を中心に開催されるものになってしまいがちですが、テーブルマーク大会は初心者でも気軽に参加でき、かつ子供達だけではなく親御さんも十分楽しめる工夫が施されています。(しかも無料!)
大会規模は他大会とは比較にならないほど大きいですが、周到な準備とそれを支えるスタッフさんのおかげで、今回もストレスなく大会を観戦することができました。
午前9時の入場から午後8時の退場まであっという間の楽しい時間でした。
将棋を指す子供達やその親御さんのために、来年も再来年も末永く本大会が続くことを祈念して、大会の記事を終えたいと思います。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
2022年テーブルマーク関東大会の記事も書いています。
よかったらこちらもどうぞ。
コメント
コメント一覧 (2件)
お世話になっております。コロッケ大好きわくわく丸です。
テーブルマークこども大会/関東大会の記事、拝見いたしました。
すごい力作ですね!大会の流れやイベントがわかりやすく書かれていて、大会当日のことを細かく振り返ることができて、大会の一日を思い出し、早くも来年の開催も楽しみになってきました。
記事の中の「勝敗よりも丁寧に指して実力を発揮する方が大事のように思います。」というお言葉、大いにうなずきました。
私も最近強くそう思います。
また、ブログとクラブのX(旧Twitter)のご紹介、誠にありがとうございます!
とても嬉しいです!
こちらの記事も、クラブ会員さんにご紹介させていただこうと思います。
これからも更新楽しみにしております!
コロッケ大好きわくわく丸さん
記事の感想をいただき、ありがとうございました。
記事の執筆や写真の編集に相当な時間がかかりましたが、このようにコメントをいただき、報われる思いです。
モチベーションにつながるので、ホント感謝です。
わくわく丸さんのブログは日々の将棋の取り組み方など親将さんが参考になる記事が盛りだくさんですし、
将棋教室も立ち上げられて、将棋普及へのご活動には頭が下がります。
今後とも応援させていただきますし、弊ブログもわくわく丸さんの参考になっていれば嬉しいです。
引き続きよろしくお願いします!