第44回全国中学生選抜将棋選手権大会

2023年8月2日から4日にかけて開催されました第44回全国中学生選抜将棋選手権大会を観戦しましたので、その模様をお伝えします。

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ダイス
  • 長男(高3)と次男(中2)を持つ親将(親将歴12年)
  • 日本将棋連盟茨城常南支部会員
  • 千駄ヶ谷連盟道場初段、将棋ウォーズ二段
  • 2022年11月から「こども将棋情報室」のサイトを運営

本来であれば、初日から3日目まで全てのイベントを観たかったのですが、あいにく所用で初日の夜から2日目の夕方までの現地滞在となってしまいました。

初日や2日目のリレー将棋、3日目の閉会式などは私自身が直接見たわけではなく、ご提供いただいた二次情報となります。

目次

全国中学生選抜将棋選手権大会とは?

第44回全国中学生選抜将棋選手権大会の様子

中学生将棋最高峰の大会

全国中学生選抜将棋選手権大会は、中学生将棋最高峰の大会です。
中学生の将棋3大大会は、中学生将棋名人戦、中学生王将戦、全国中学生選抜将棋選手権がありますが、この全国中学生選抜将棋選手権のみが都道府県大会があり、そこで代表者を決めて全国大会に進みます。

日本将棋連盟のHPにも全国中学生選抜将棋選手権大会のページがあります。
また天童青年会議所の大会公式HPもあります。

全国中学生選抜将棋選手権大会|将棋大会|日本将棋連盟 (shogi.or.jp)
全国中学生選抜将棋選手権大会 – 天童青年会議所 (tendojc.com)

中学生将棋名人戦(東京開催)と中学生王将戦(大阪開催)は、毎年7~8月に開催されます。
都道府県大会はなく誰でも参加可能な中学生大会です。

中学生将棋名人戦|将棋大会|日本将棋連盟 (shogi.or.jp)
中学生王将戦|将棋大会|日本将棋連盟 (shogi.or.jp)

中学生将棋最高峰に位置する全国中学生選抜将棋選手権大会は今回で第44回目となります。
男子の部は1980年の第一回大会が始まりで、女子の部は1999年から始まり今回で25回目となります。

過去には佐藤康光九段や、深浦康市九段も参加されており、最近の棋士では編入試験でプロ入りされた小山怜央四段も本大会に3度出場されています。

ダイス

小山四段は副審判長として、本大会にもお越しいただきました。
決勝戦の大盤解説も務められています。

本大会の特徴としては、参加者一同が指定されたホテルに宿泊し、二泊三日で将棋大会に参加することです。
開会式と閉会式には彬子女王殿下も臨席され、厳粛な雰囲気の中で進行します。
君が代の斉唱もあり、まさに国の公式行事。
将棋大会以外でもリレー将棋などで他の代表者との交流の場が用意されており、中学生に合わせたイベントとなっています。

ダイス

私も息子と初めて参加しましたが、小学生の将棋大会とは違った雰囲気で、大人に近づいた中学生の将棋大会と言える大会でした。

では、第44回全国中学生選抜将棋大会がどのような大会だったのか、見ていきましょう。

8月2日(水)1日目

道中

1日目の半分は移動の時間。
我が家は、私が仕事だったので、嫁さんと息子が二人先行して山形県天童市に向かいました。

東京駅9時24分発で天童へ。
東京駅で関東の大会で友達となったA君親子と合流し、一緒に新幹線の車内を過ごしました。

新幹線車内
新幹線車内で練習対局
ダイス

親将の仲間がいるといいですね。
嫁さんもAママさんと新幹線内で楽しく談笑していたそうです。

天童駅には12時過ぎに到着。
天童駅改札前には全国中学生選抜将棋選手権大会を盛り上げる横断幕がかけられています。

天童駅
天童駅改札前

山形県天童市は将棋の町。
町の歩道のあちこちに詰将棋の問題が埋め込まれています。

詰将棋
道のいたる所に詰将棋

天童駅からホテル(ほほえみの湯 滝の湯)までは徒歩15分ほどですが、夏の炎天下のため、ホテルの送迎バスに天童駅まで来てもらいました。

ほほえみの湯 滝の湯

ほほえみの湯で記念撮影

全国中学生選抜将棋選手権大会の会場かつ宿泊場所のホテル(ほほえみの湯 滝の湯)には13時前に到着。

全国中学生選抜将棋選手権大会は、あらかじめ主催者側より二つのホテルが指定されていました。
私達は大会会場にもなる「ほほえみの湯 滝の湯」でしたが、近隣の「天童ホテル」に宿泊される参加者もおりました。

少し早めに着いたため、大会の受付は後にして、先にホテルのチェックインを済ませます。

ホテルロビーで子ども達が真っ先に目に入るのは、将棋の大盤。
ほほえみの湯滝の湯には将棋の大盤が二か所にありました。

息子もA君と早速練習将棋を始めます。

大盤で将棋
ホテルロビーの大盤で将棋

部屋の入室まで少し時間があるため、先にAさん達と昼食を取りにいきました。
昼食はホテル横のお寿司屋さん(いろは寿司)。

いろは寿司
いろは寿司で昼食

昼食を終えて14時前に戻り、大会の受付を行います。
受付場所はホテル入り口に設置しており、天童青年会議所のスタッフの方が応対されておりました。

受付時に、大会パンフレットや名札を渡されます。
名札は大会期間中の制服に付けておきます。

大会パンフレット
大会パンフレット
名札
名札
大会期間中は常に付けておきます

14時よりホテル部屋の入室ができました。

ホテル部屋
滝の湯ホテル 客室

15時より予選リーグの公開抽選会が始まります。
この模様はYouTubeでLIVE配信されており、部屋でLIVE配信を見ながら、予選リーグの組み合わせを確認しました。

YouTubeでの公開組み合わせ抽選
YouTubeでの公開組み合わせ抽選
ダイス

組み合わせ抽選会の模様は、なかなか緊張感がありました。

事前にLINEの大会公式アカウントを登録しておりました。
タイムリーに運営側よりLINEでの連絡があり、これはかなり役立ちました。
公開抽選会の案内も、LINEからYouTubeのURLを添えて連絡があり、すぐにLIVE配信を見ることができました。

また、予選リーグの組み合わせが決定すると、運営側より予選リーグ表の案内がLINEで送られてきます。
予選リーグ表はGoogle ドキュメントで作成されており、大会進行と共にその結果もタイムリーに更新されるため、重宝しました。

ダイス

LINEやGoogleドキュメントを活用した大会連絡は初めての経験でしたが、かなり便利でした。

写真撮影・リハーサル

17時半より写真撮影のため、選手集合となります。
これより大会行事が本格的にスタートとなり、選手はこれより閉会式まで制服と名札の着用が義務付けられます。

写真撮影は、大会参加者はもちろん、彬子女王殿下、山本天童市長、羽生会長などの日本将棋連盟関係者も参加されて、行われました。
ここで撮影された記念写真は大会期間中にいただくことになります。

記念写真
記念写真

次のイベントは夜19時30分からの開会式のリハーサル。
1時間ちょっとのインターバルがあり、この時間に夕食を済ませます。
我々は、Aさん、Bさん親子とホテル近くの蕎麦屋さん(水車)に行ったものの、混んでいたため、夕食はコンビニで購入した弁当で済ますことにしました。

開会式のリハーサルは1時間程度。
座り方やお辞儀の仕方などを教わり、また一人一人名前を呼ばれて立ち上がる練習もしたようです。
学校の卒業式の練習のようなものです。

翌日は朝が早いので、我が家は22時前に就寝となりました。

8月3日(木)2日目

朝食・リハーサル

2日目。
初日は受付と写真撮影や開会式のリハーサルのみでしたが、今日がメインの将棋大会です。

選手は朝6時半より朝食を取ります。
昨日行ったリハーサルですが、今朝もリハーサルの続きがあり、選手一同は7時30分に会場のある滝の湯の舞鶴の間に集まります。

リハーサルの会場には選手のみが入り、大会心得唱和などを練習していたようでした。

開会式

8時になり、いよいよ我々保護者も会場に入場です。
保護者の席は会場後方に用意されていました。

開会式の様子
開会式前の様子

壇上には彬子女王殿下や羽生会長などの大会役員席があり、会場左手にはご来賓の方々。

左側にはご来賓の方々
報道関係者も

会場中央は選手の対局席。

会場右手側に大会ボランティアの天童市立中学校の生徒さんの席。
生徒さんは、歓迎のことばや選手紹介を務めていただきました。

そして右手後方には天童市立第一中学校の吹奏楽部の生徒さんの席があります。
吹奏楽部生徒さんの生演奏は、開会式の厳粛な雰囲気を一層際立たせてくれました。

天童第一中学校吹奏楽部の皆さん
天童第一中学校吹奏楽部の皆さん

8時半となり、彬子女王殿下が着席され、開会式が始まりました。

開会式の流れは下記の通りです。

開会式
  1. 開会の辞 公益社団法人天童青年会議所 副理事長 伊藤光
  2. 国家斉唱 
  3. 挨拶 大会会長 天童市長 山本信治
  4. 挨拶 大会名誉顧問 公益社団法人日本将棋連盟 会長 羽生善治
  5. 挨拶 大会顧問 山形県知事 吉村美栄子
  6. 挨拶 大会実行委員長 公益社団法人天童青年会議所 理事長 佐野峻也
  7. 寛仁親王牌返還 大分県代表 井ノ口智晴
  8. 彬子女王牌返還 静岡県代表 渡邊みずほ
  9. おことば 大会名誉総裁 彬子女王殿下
  10. 歓迎のことば 天童市立第二中学校 本間侠
  11. 選手紹介
    • 天童市立第四中学校 半澤優奈
    • 天童市立第四中学校 山本翔太
  12. 大会心得唱和 埼玉県代表 浜崎大和
  13. 審判長注意 審判長 公益社団法人日本将棋連盟 九段 屋敷伸之
  14. 競技開始号令 審判長 公益社団法人日本将棋連盟 九段 屋敷伸之

ご臨席された方々は、彬子女王殿下初め吉村山形県知事、山本天童市長、羽生善治会長など豪華な顔ぶれです。
この全国中学生選抜将棋選手権大会が権威ある大会であるということがわかります。

歓迎のことばを務めた天童市立第二中学校の本間さんのスピーチが素晴らしかったです。
本間さん自身も将棋を指しておられ、その経験から出てくる熱い思いや応援メッセージには胸を打たれました。

本間さんのスピーチは下記記事でも紹介されています。
多くの親御さんが感動した中学生とは思えない素晴らしいスピーチでしたので、ぜひご覧ください。

2023.08.05教室便りNo.152 全国中学選抜選手権~本間侠さんによる歓迎の言葉~ | 日本将棋連盟天童支部のブログ (ameblo.jp)

選手では、大会心得唱和を埼玉県代表の浜崎君が務めました。
張りのある声で堂々としており、見事に大役をこなしてくれました。

選手紹介では、一人一人の名前を呼んでいただけます。
名前を呼ばれた選手は「はい!」と返事して起立します。
天童市立第一中学校吹奏楽部の生演奏の中、彬子女王殿下や羽生善治会長を前にして、息子の名前が呼ばれるのはとても名誉なことで、これだけでも感動させられました。

ダイス

将棋大会で国家斉唱したのも初めての経験でした。

開会式は1時間程度でした。
屋敷九段の挨拶が終わり、対局開始の号令と共にいよいよ対局が始まります。

予選リーグ

予選リーグ
予選リーグ対局の様子

対局は9時半に始まりました。
開会式の流れで、そのまま対局が始まったので、いかに頭を切り替えるかも大事です。

最初の15分ほどは彬子女王殿下や大会役員の方々が会場を周り、選手の真剣な対局姿をご覧になられます。
彬子女王殿下が退出された後は、我々保護者も自由に席を立つことができるようになり、大役を果たされた天童市のボランティア中学生も開放されます。

第44回全国中学生選抜将棋大会のルールは下記の通りです。

大会方式
  • 4人1組のリーグ戦を行う。
  • 2回戦は勝者同士、敗者同士とする。この時点で2連勝者は決勝トーナメントへ。2連敗者は失格。1勝1敗者は、隣のリーグ1勝1敗者と対局する。
  • 持ち時間は各20分。使い切ると1手30秒の秒読みとする。

予選リーグ第一戦:9時30分開始
予選リーグ第二戦:10時35分開始

予選リーグ
予選リーグの様子①
予選リーグ②
予選リーグの様子②
予選リーグ③
予選リーグの様子③

予選リーグの2局が終わると、2連勝者、1勝1敗者、2連敗者と出てきます。
2連勝者と2連敗者は予選リーグが終了となり、第三戦は決勝トーナメント進出をかけて1勝1敗者が対局を行います。

予選リーグ第三戦:11時45分開始

3局目も長い対局があり、全ての対局が終わったのは1時頃でした。

予選リーグ最終局
決勝進出をかけた予選リーグ最終局

対局結果については、運営側が用意したGoogleドキュメントでタイムリーに更新されているので、リアルタイムで確認できます。
結果については会場内で紙の貼り出しも行っており、またプロジェクターを使用して映し出してもいました。

ダイス

Googleドキュメントを共有して結果を確認できるのはかなり便利でした。

指導対局

全国中学生選抜将棋選手権大会には日本将棋連盟より棋士の方がお越しいただいています。
今回来られた棋士の方々は下記の通りです。

参加棋士一覧
  • 羽生善治会長(大会名誉顧問)
  • 屋敷伸之九段(審判長)
  • 小山怜央四段(副審判長)
  • 山田久美女流四段(副審判長)
  • 脇田奈々子女流初段(副審判長)

午前中は隣の朝日の間にて地元小学生を対象に指導対局会が開かれておりました。

指導対局①
地元小学生を対象にした指導対局の様子
ダイス

地元の小学生にとってもプロ棋士から直接将棋を教わるいい機会ですね。

昼食

昼食は選手の分のお弁当が主催者側より用意されています。
昼食会場は、大会会場の隣の部屋で取る事ができます。

息子はA君、B君と共に昼食を取りました。

昼食を取る3人

A君とは初日の東京駅から、B君も天童で大会初日から3日目まで一緒に仲良く過ごさせていただきました。
全国大会で他県の友人と共に過ごせたのは息子にとっても貴重な経験となりました。

決勝トーナメント

決勝トーナメント進出者26名は、13時40分に会場に集まります。
ここで決勝トーナメントの組み分けのクジを引き、決勝トーナメントの組み分けが決まります。

決勝トーナメントのくじ引きで集まる

13時55分より、決勝トーナメント1回戦が始まりました。
決勝トーナメントは1局約1時間で進行していきます。

決勝トーナメント1回戦の様子

決勝トーナメント一回戦:13時55分開始
決勝トーナメント二回戦:15時開始
決勝トーナメント三回戦:16時開始

決勝トーナメント三回戦
決勝トーナメント三回戦(準々決勝)の様子

決勝トーナメント準決勝:17時10分開始

18時に明日の決勝と3位決定戦に進む男女各4名が決まりました。
今日一日で多い子は7対局を指したことになります。

息子は、決勝トーナメント3回戦(準々決勝)で敗退しました。
予選リーグで1敗したので、予選から6対局をこなしました。
各都道府県代表の集まるこのレベル高い中学生選抜で、よく頑張ったと思います。

別室では、予選リーグ敗退者のためのプロ棋士による指導対局も用意されておりました。

指導対局②
小山四段より指導を受ける中学生

決勝トーナメント敗退者や指導対局を終えた子ども達は各々で夕食までのひと時を過ごします。

トーナメント戦で敗れた息子も他の中学生代表と一緒にロビーの大盤で将棋を指していました。
各県代表6人が集まり、ワイワイ将棋を楽しんでいます。

ホテルロビーの大盤で将棋を楽しむ6人

このような光景はホテルのあちこちで見られました。
特に女子が集まって楽しそうに将棋を指している姿が印象に残りました。

ダイス

これだけ多くの女子が集まっての将棋大会はなかなかないので、女の子も大盤の前に集まり楽しそうに将棋を指していました。

夕食

午後の決勝トーナメントが終わり、夕食の時間です。
我が家は、A君親子、B君親子で近くのそば屋「手打水車生そば」で食事を取りました。

水車はそばも美味しいですが、鳥中華が有名です。
子供達三人も揃って鳥中華を堪能しました。

水車
水車で鶏中華を堪能

ホテルに戻ってきて、また大盤を使って将棋。
みんな大の将棋好きです。

大盤将棋
またもや大盤で将棋

リレー将棋

リレー将棋

第44回全国中学生選抜将棋選手権大会では、運営側(天童青年会議所)が企画した交流イベントがあります。

男女混合のリレー将棋が7時半より始まりました。
大まかなルールは下記の通りです。

男女混合リレー将棋
  • 1チーム男女混合7~8名。12チームで3対局を行う。
  • 事前に指す順番を決めて、交代で指していく。
  • 持ち時間は15分。切れた時点で負け。
  • 1局の時間制限があり、途中で終了した場合は審判が勝敗を判定。互角なら持ち時間が多い方が勝ち。

チームは事前に運営側で決めており、チーム表を見る限りでは地域で偏りがないようにしていました。

息子のチームは男子4人に女子3人。
チーム内では振り飛車党が多く、中飛車で臨んだとのことでした。

戦法を相談する7人
戦法を相談する7人

息子のチームは、
・1局目:判定負け
・2局目:勝ち
・3局目:負け
で1勝2敗でした。

負け越しでしたが、息子も仲間達とワイワイ楽しくリレー将棋をすることができて、大いに楽しんでいる様子でした。

リレー将棋
リレー将棋

明日の決勝戦、3位決定戦に臨む男子4名、女子4名の8名はリレー将棋の途中から閉会式のリハーサルに参加します。
リハーサルでは、授賞式の練習をしていたと思われます。

9時過ぎにリレー将棋が終わり、2日目のイベントは全て終了しました。
リレー将棋は遅くまであったにも関わらず、天童青年会議所のスタッフの方が数多く運営に携わっておりました。
おかげで子ども達も楽しい、思い出になる夜を過ごせたかと思います。

ダイス

二泊三日の将棋大会だと、朝早くから夜遅くまで丸一日将棋を楽しむことができます。
交流の場も用意されており、子供達にとっても充実した一日だったのではないでしょうか。

8月4日(金)3日目

決勝戦・3位決定戦

3日目の朝も2日目同様のスケジュールで朝6時30分より朝食となります。

決勝戦及び3位決定戦に出場する8名の選手は、7時45分に集合。
大盤解説を観覧する選手および保護者は7時50分に集合となりました。

8時15分より男子の部決勝戦が、8時30分より男子3位決定戦と女子の決勝戦・3位決定戦が始まりました。
それぞれの対局は、別室各部屋で行われます。

会場の舞鶴の間では、小山怜央四段(解説)と脇田奈々子女流初段(聞き手)の大盤解説会が始まりました。
男子の部決勝戦と女子の部決勝戦を中心に大盤を使用しての解説を行います。

1時間ほどで4つの対局が終了し、最終の順位が決定しました。
第44回全国中学生選抜将棋選手権大会の最終結果は下記の通りです。

最終結果(敬称略)
  • 男子の部
    • 優勝:清水 慎(大阪)
    • 準優勝:奥脇 英志(山梨)
    • 3位:木村 橙哉(大阪)
    • 4位:嶋田 旬吾(熊本)
  • 女子の部
    • 優勝:横村 日和(群馬)
    • 準優勝:松澤 伊緒(埼玉)
    • 3位:竹内 優月(東京)
    • 4位:竹 小梅(宮崎)

優勝した清水さんはトーナメントでは厳しい山に入りましたが、研修会B1を2人、アマ竜王戦全国大会で活躍された方など強豪を次々と破り、優勝されました。

女子の部優勝の横村さんは関東研修会C1の実力者。
その力をこの中学生選抜選手権でも発揮され、見事優勝されました。

大会結果の詳細は、全国中学生選手権将棋大会の公式HPをご覧ください。
第44回全国中学生選抜将棋選手権大会(第25回女子の部)の結果について | 全国中学生選抜将棋選手権大会 (tendojc.com)

閉会式

10時より表彰式ならびに閉会式となります。
彬子女王殿下もご臨席され、開会式同様の厳粛な雰囲気の中で行われました。

閉会式
  • 開会の辞 公益社団法人天童青年会議所 常任理事 三宅秀典
  • 挨拶 大会会長 天童市長 山本信治
  • 挨拶 大会名誉顧問 公益社団法人日本将棋連盟 会長 羽生善治
  • 成績発表
    • 男子の部 副審判長 公益社団法人日本将棋連盟 四段 小山怜央
    • 女子の部 副審判長 公益社団法人日本将棋連盟 女流四段 山田久美
  • 寛仁親王牌授与 大会名誉総裁 彬子女王殿下
  • 彬子女王牌授与 大会名誉総裁 彬子女王殿下
  • 各賞授与
    • 男子の部 準優勝、第3位、第4位
    • 女子の部 準優勝、第3位、第4位
  • 審判長総評 審判長 公益社団法人日本将棋連盟 九段 屋敷伸之
  • 閉会の辞 公益社団法人天童青年会議所 副理事長 片桐一樹

10時40分頃に閉会となり、第44回全国中学生選抜選手権大会は盛況に終わりました。

帰路・山寺

ホテルは11時過ぎにチェックアウトし、参加者は各々の時を過ごします。
そのまま帰宅する方、天童市内やその近郊を観光する方など様々です。

妻と息子は疲れもあったため、13時過ぎの天童発の新幹線で帰りました。
同じ新幹線では同県のママさん娘さん親子もおられ、同じ新幹線で帰る方も多かったようです。
帰りは夕食も外で取ったようで、帰宅したのは夕方6時頃でした。

行きの新幹線から一緒だったA君親子は、大会後に電車で山寺駅まで行かれ、立石寺まで登ったそうです。

山寺行きのちょうどいい電車がある

かなり階段を上るのが大変だったようですが、お参りされたご利益はあったようです。
立石寺では、同じ中学選抜選手権大会に参加されていた親子もいたそうで、将棋大会以外でも天童やその周辺の観光を楽しまれた方も多いようです。

Aさんより山寺の写真をいただいたので紹介します。

山寺からの景色
山寺からの景色
山寺本堂
山寺本堂
山寺駅
山寺駅
ダイス

3日目の午後はフリーですので、山寺や天童の観光名所を巡るのもいいですね。

第44回全国中学生選抜将棋選手権大会 あとがき

予選リーグ対局

主催者の天童青年会議所の佐野理事長(大会実行委員長)は、あいさつの中でこのようなことを言われておりました。

本大会を通じて中学生棋士に臨むこと

  • 棋力の向上
  • 周囲への敬意をもった礼儀正しい態度で臨んでほしい
  • 礼節を重んじる豊かな心を持った青年となることを目指してほしい
  • 多くの友情を育んでほしい

将棋大会なので、対局や指導対局を通じて「①棋力の向上」はもちろんですが、私の見る限り参加した中学生は皆さん対局中でも盤外でも「②敬意をもった礼儀正しい態度」を持って臨まれていました。

ホテルのあちこちにある大きな将棋盤。
私もその前を何度も通りかかったのですが、男子も女子も集まって将棋を指していたり、やはりみんな大の将棋好き。
将棋盤を見るとすぐに将棋を始めてしまいます。
また通りかかった子供達も観戦したり、感想戦の輪に入り、みんなで「あーだ、こーだ」と楽しく将棋をしていました。

大盤での練習対局

あと、主催者が企画されたリレー将棋は、男女混合の団体戦。
中学生の男女が初めて会った中で、作戦を練りながら協力して将棋を作っていく。
会場内の雰囲気がとてもよく、参加者全員がわきあいあいと将棋を楽しんでいたように思います。

みなさん「③礼節を重んじながら豊かな心を持って」おり、リレー将棋を通じて「④多くの友情を育んだ」ように思います。

本大会は、初日のリハーサルから最終日の閉会式まで3日間に渡る将棋大会でした。
主催者である天童市様、日本将棋連盟様、天童青年会議所様の周到な事前準備、また3日間の大会運営も素晴らしかったです。

また印象に残ったのは、YouTube、LINE、Googleドキュメントを使用した大会連絡や公開方法です。
予選リーグの組み合わせ抽選会のYouTube配信は緊張感がありましたし、対局結果がGoogleドキュメントですぐに反映されるので、大会の進行状況がタイムリーに確認できます。

一つの将棋大会でここまでITを駆使した大会運営は初めてだったので、運営側の企画力・IT力に驚かされました。
活用してかなり便利でした。

運営側でご活躍されていた天童青年会議所の皆さんの熱意や奮闘ぶりはFacebookを通しても伝わってきました。

公益社団法人天童青年会議所 | Tendo-shi Yamagata | Facebook

ダイス

将棋大会はこのような裏方の皆さんの支えによって成り立っています。
天童青年会議所の皆さん、ありがとうございました。

本大会の良かった点をまとめます。

第44回全国中学生選抜将棋選手権大会良かった点
  • 彬子女王殿下が臨席される厳粛な開会式・閉会式。
  • 公式LINEアカウントから、大会連絡がタイムリーに確認できる。
  • 予選リーグの抽選会が公開され、YouTubeで確認できる。
  • 予選リーグや決勝トーナメントの結果は、Googleドキュメントで確認できる。(紙の貼り出しもあり)
  • 二泊三日のため、二日目は朝から夜まで将棋三昧。
  • 一同が指定された二つのホテルに泊まるので、参加者同士の交流が生まれやすい。
  • 予選リーグで敗退してもプロ棋士による指導対局が受けられる。
  • 2日目夜に2時間程度のリレー将棋のイベントあり。男女混合の団体戦で盛り上がる。
  • 決勝戦は大盤解説会あり。ライブで決勝戦の模様をプロ棋士の解説付きで観戦できる。
  • 大会の会場がホテルと同じもしくは近郊にあり、親御さんはいつでも部屋で休むことができる。
  • 受付時から閉会式まで天童青年会議所のスタッフが大勢で対応されており、進行がスムーズ。

全国中学生選抜将棋選手権大会に参加させていただきましたが、ここまで格式ある将棋大会は初めてでした。
彬子女王殿下隣席の開会式、閉会式。イメージは学校の入学式や卒業式のような厳かな雰囲気。
そんな雰囲気の中、生演奏をバックに一人一人が名前を呼ばれるのは名誉でしかありません。
この式に参加する子供達にとっては将棋以外の面でも貴重な経験だったのではないでしょうか。

この第44回全国中学生選抜将棋選手権大会で、息子も私も夏休みの良き思い出を作ることができました。
ひとえに本大会に関われた天童市様、日本将棋連盟様、天童青年会議所様、天童市立中学校の皆様のおかげです。
全ての関係者様に厚く御礼申しあげます。

最後となりますが、中学生将棋最高峰の大会である全国中学生選抜将棋選手権大会は今回で44回目となりました。
今後も末永くこの素晴らしい大会が続くことを祈念してこの記事を終えたいと思います。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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